いつのまにか「連ドラ」の主役が“ベテラン俳優”ばかりに…映画と比べて若手を主演に抜擢しづらいのはナゼか
ベテランが固めるヒット作
7月にスタートした民放各局のゴールデン・プライム帯(GP帯、午後7~11時)ドラマは、平均世帯視聴率でダントツのトップを独走する、堺雅人(52)主演の「VIVANT」(TBS系)をはじめ、ベテラン勢の活躍が目立つ。
【写真を見る】「VIVANT」を抑えるか…ベテラン俳優が主演する10月期ドラマ
同作は堺のほか、主要キャストに阿部寛(62)、小日向文世(72)らが名を連ね、放送回を重ねるたびにネットを中心に話題になっている。また、「VIVANT」と同じTBS系の「Tシャツが乾くまで」は、主演の蒼井優(41)と松山ケンイチ(41)が夫婦役。「君の好きは無敵」では松本若菜(42)が主演している。

フジテレビ系に目を転じると、反町隆史(52)がカンテレ制作の「GTO」、小池栄子(45)が「さよならノワール」に主演。また、内田有紀(50)が「ラストノート」で寺西拓人(31)とダブル主演を務めている。テレビ朝日系は「大追跡~警視庁SSBC強行犯係~」で大森南朋(54)がトリプル主演のうちの1人に。
もちろん、ベテランばかりではない。テレ朝系では今田美桜(29)が「クロスロード~救命救急の約束~」、趣里(35)が「大空港~GATE24~」、Kis-My-Ft2の玉森裕太(36)が「マイ・フィクション」。日本テレビ系は、SixTONESの松村北斗(31)が「告白-25年目の秘密-」、Hey! Say! JUMPの山田涼介(33)が「一次元の挿し木」、テレビ東京では、鈴鹿央士(26)が「リーガルビート-逆転の法廷-」で主演を務めている。
「NHKをみると、放送中の朝の連続テレビ小説『風、薫る』では見上愛さん(25)と上坂樹里さん(21)、次回作『ブラッサム』は石橋静河さん(32)が主演。大河ドラマは昨年の『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』は横浜流星さん(29)、今年の『豊臣兄弟!』は仲野太賀さん(33)と、比較的若くて勢いがある俳優陣を起用しているのに対して、民放は手堅くベテラン俳優を起用したがる傾向が、ここに来てより目立つようになっています」(放送担当記者)
映画は若手がメインに
地上波テレビに比べ、映画では若手俳優の主演起用が目立っている。
すでにドラマ主演でも実績のあるSnow Manの目黒蓮(29)は、主演作「ほどなく、お別れです」、「SAKAMOTO DAYS」がいずれもヒット。人気コミックを実写化した映画シリーズの最新作「キングダム 魂の決戦」に主演の山崎賢人(31)は、7年前に第1作が公開され、全5作がヒットを飛ばしている。
人気のサッカー漫画を実写化した「ブルーロック」は高橋文哉(25)、ヒット作の続編「あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。」は福原遥(28)、ジャパニーズホラーの巨匠・清水崇監督(54)の「だぁれかさんとアソぼ?」は、映画単独初主演となるアイドルグループ・FRUITS ZIPPERの鎮西寿々歌(27)が、それぞれ主演を務めた。
「映画館に足を運ぶのは、比較的若年層が多い。そのため最近は、企画段階では若い人にウケる、特に人気コミックの実写化は通りやすくなっています。旧ジャニーズ(現SMILE-UP.)勢が主演を務める作品も多いですが、明らかに若い世代の集客を意識しています。大手の映画会社は業績好調が伝えられ、トータルで莫大な利益が出ているので、1作ぐらい当たらなくてもそれほどダメージは大きくない。そのため、山崎さんのような若手俳優が、映画で主演クラスに成長する傾向が強くなっています」(映画業界関係者)
それに対し、地上波テレビの民放各局は、CMスポンサー枠を確保し、ある程度、視聴率を取って結果を出すことが求められる。また、ドラマも登場人物のキャラクターや背景など、じっくりと“作り込む”のではなく、明快でテンポの良い演出が求められる。
「画面に映るだけで、演じる役の人生を表現できるベテランは貴重です。こうした事情もあって、どうしてもベテランを主演や重要な役に起用する傾向が強くなる。ドラマで主演を張れる若手俳優が育っていない、というわけではないのですが……」(同)
活動の場は配信系に
すでに発表されている10月期のドラマでは、フジは江口洋介(58)と松嶋菜々子(52)が16年ぶりに共演しダブル主演、13年ぶりのシリーズ最新作となる「救命病棟24時」が月9枠で放送される。
テレ朝は水谷豊(74)主演の人気刑事ドラマシリーズの最新作「相棒 season25」、日テレは池井戸潤氏の毎年恒例の人気スポーツイベント・箱根駅伝を題材にした小説を実写化した「俺たちの箱根駅伝」で大泉洋(53)が主演を務める。
「『GTO』が期待したほどの視聴率を獲得していないだけに、旧作の新シリーズがヒットするかは微妙ですが、ファンの多い医療モノでもある『救命病棟24時』はかなり手堅い選択です。『相棒』はテレ朝のルーティン、『俺たちの箱根駅伝』は日テレが総力を結集する作品なので、2クールの放送となる『VIVANT』の有力な対抗馬とみられています」(先の記者)
そんな中、今田は10月期の日テレ系ドラマ「メリーベリーラブ」で韓国人俳優、チ・チャンウク(39)とダブル主演を務めることが発表されたが、
「ここに来て、テレビ各局がドラマの主演に起用したいと思う若手の有力俳優は、資金が潤沢なNetflixやPrime Videoに流れる傾向がより加速しています。ベテランが主演することは、作品の質を高めるうえで大きなメリットがありますが、主演俳優の高齢化は単なるキャスティングの問題ではなく、若い視聴者の“テレビ離れ”の加速など、テレビ界そのものの構造変化を加速させていくのではないでしょうか」(同前)
デイリー新潮編集部
