「症状」ゼロでも要注意?健診で発覚する“右脚ブロック”とは【医師監修】

右脚ブロックは、自覚症状がないまま健康診断で気づくケースが大変多い状態です。発見されるタイミングや状況によって、その後の対応の仕方も変わってきます。どのような場面で見つかりやすいのか、また受診の目安となるサインについて、具体的に確認していきましょう。

監修医師:
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)

群馬大学医学部卒業。その後、伊勢崎市民病院、群馬県立心臓血管センター、済生会横浜市東部病院で循環器内科医として経験を積む。現在は「Myクリニック本多内科医院」院長。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医。

右脚ブロックが発見されやすいシーンと受診の目安

このセクションでは、右脚ブロックがどのような場面で発見されることが多いのか、また受診の目安について具体的に説明します。発見のタイミングや状況によって、その後の対応が変わることもあります。

健康診断での発見と経過観察

右脚ブロックは、自覚症状がないまま健康診断の心電図検査で偶然に発見されることが大変多いとされています。動悸や息切れなどの自覚症状が全くなくても、心電図の波形から右脚ブロックが確認されるケースは少なくありません。

健康診断の結果票に「右脚ブロック」と記載されていた場合、まず確認すべきことは「完全右脚ブロック」なのか「不完全右脚ブロック」なのかという点です。この2つは心電図上のQRS幅(波形の広がり具合)によって区別され、それぞれに対して異なる解釈や対応が取られることがあります。

不完全右脚ブロックの場合、基礎疾患がなく自覚症状もない方であれば、特別な治療は必要とせず、通常の経過観察となるケースが大半です。一方、完全右脚ブロックが初めて健康診断で発見された場合には、心臓の器質的な異常がないかを確認するための精密検査が推奨されることがあります。いずれにしても、健康診断の結果をそのまま放置せず、かかりつけ医または循環器内科の医師に相談することが大切です。

健康診断で発見された右脚ブロックに対して過剰に不安を感じる必要はありませんが、自身の心臓の状態を専門家に正しく評価してもらうことが重要です。自己判断せず、医師のアドバイスを参考にしながら経過を見ていくことが望ましい対応といえます。

症状がある場合の受診の目安

右脚ブロックそのものは、多くのケースにおいてそれ単体で強い自覚症状を引き起こすものではありません。しかし、動悸・息切れ・胸の不快感・めまいなどの自覚症状が伴っている場合には、右脚ブロック以外の不整脈や心疾患が隠れていないかを評価する必要があります。

特に、これまでになかった症状が突然現れた場合や、階段の昇り降りなど運動時に症状が強くなると感じる場合には、速やかに循環器内科を受診することが推奨されます。右脚ブロックに加えて、ほかの心伝導障害や不整脈が合併している可能性もあるためです。

めまいや失神(一時的に意識を失う状態)を伴う場合は、心臓の電気信号が途切れるなどの危険な不整脈が起きているサインの可能性があります。放置すると命に関わる状態に進行する恐れがあるため、決して自己判断せず、直ちに循環器内科を受診するか、状況によっては救急車の利用も検討してください。

症状の有無にかかわらず、右脚ブロックと診断された方は、定期的な心電図検査を通じて波形の変化がないかを確認していくことが一般的な管理の方針となります。日常生活の中で症状の変化に気づいたときには、その都度担当医に相談することをおすすめします。

まとめ

右脚ブロックは、健康診断の心電図検査で偶然発見されることが非常に多く、自覚症状を伴わない場合も少なくありません。なりやすい方の特徴、基準値の考え方、そして潜在的な原因を正しく理解することで、過剰な恐れを抱くことなく適切な対応につなげることができます。気になる自覚症状がある方や、検査結果の解釈に疑問を感じる方は、循環器内科などの専門医療機関への受診と相談をおすすめします。定期的な健康チェックを続けながら、心臓の健康を長期的に見守っていきましょう。

参考文献

予防医療学会「検査表の見方:心電図」

日本不整脈心電学会「(JHRS)文化センター」

日本心臓財団「心臓病の知識不整脈」