6月下旬の福島県・大玉村。田植えからひと月経った稲は、1本だった茎が20本に。この成長ぶりに負けないよう進めねばならないプロジェクトが。
「今日から動き出すんですね」「来た、来た!」
「このシャーシの上に載っかるわけでしょ、トレーラーハウス」

シャーシとは、車の土台のことで、この上に車体が載っかると自動車に。
そして、家が載っかったのがトレーラーハウス!
今年収穫した新男米を全国へ届けるプロジェクト・DASH My(米)Dream。
そのためのトレーラーハウスをイチから手作り。
形は、それぞれのアイデアを取り入れた「船」の形に決定。

早速、城島「棟梁お願いします」慎太郎「まずは床からですかね」と、そのための木材には「じょう…い①ちろう…?」「番付もやってくれてんだね」
「まあ、丈らしいっすね」
大事な着工の日に来られなかった藤原。
2週間前、大阪・関西万博などで使われた福島県産の木材を分けて頂き、土台に合わせて床板を切り、裏面に並べる順番を振る“番付"を。

これは「いろはにほへと。いの一番とか、わかる?最初の材」
“いろは歌"で文字を覚えた江戸時代、大工さん用語だった「い」の一番が、今では日常会話で使われるように。
その番付通りに床板を並べていけば、2時間ほどで「床付きましたね!」「8畳近くある」
土台となる床ができたら、いよいよ船の形を作っていく。

まずは骨組みとなる柱。
中でも建物を支える最も丈夫な大黒柱。棟梁・慎太郎が大黒柱に相応しい木材を見極める。
「(叩いた)音が違う、硬い。これ栗だね」
大黒柱といえば、23年前。DASH村役場の立て直しの際、城島が選んだ大黒柱も栗だった。
栗の木にはタンニンが多く含まれ、腐りにくく虫の被害も受けにくいため、木材屈指の頑丈さ。

この大黒柱を立てるのは、船の前方。床にホゾ穴を開け、柱にホゾを作って差し込む。
「オッケー!入った、入った」続いて、その他の骨組みとなる柱を。
城島のプランは「ツーバイフォー(2×4)やね」
2×4材はホームセンターなどで手に入れやすく、素人でも扱いやすい。
長さを揃えて並べ、ネジを打ち込むだけで「できましたー」

これを立ち上げれば、「3.7メートル!結構高いな」8人乗りファミリーカーのおよそ2倍。
公道を走れるギリギリの高さ。
この日できたのは片側の骨組み。続きは、スタッフ、藤原が作業を引き継ぎ、「ほんと一歩ずつですけど進んでますね」そして、残る骨組みは船の先頭に当たる船首。

象徴的な曲線美で船らしさを出す大事な部分だが、どうやって曲げるのか?
棟梁・慎太郎から藤原に託されたのは、「何このギザギザ?」
それは、木造船・サバニを一から手作りした際、板を曲げるのに使っていた、ギザギザストッパー。これを床に固定し、骨組みとなる木を並べる。

ギザギザに引っ掛け1段ずつズラしながら徐々に曲げていく。
より曲げやすくするために熱湯をかけることで木が膨張し柔らかくなる。
曲げられるのは、お湯が冷めるまでの2分間。
1段曲げたら、しばらく置いて固定させ、さらに曲げていく。
ギザギザ3段階目になれば、かなりの角度に。

木の反発に何度も押し戻されながら、それでもめげずに押し曲げること4時間半。
「この曲がり具合、めっちゃいいやん!」
これをまずは船の先端部分に立て、左右に3本ずつで船首の骨組みに。
さらに、テンションをかけていくことによって「より綺麗な曲線になった」

そして、ようやく梅雨が明け、夏本番。
棚田の稲は「穂が出てますね。生え揃ってる」「今年の新男米、力強さ感じますね」
と、そこへ重機に乗って颯爽と現れたのは、「申し遅れました、私、小型車両系建設機械の運転の資格を持ってます、藤原丈一郎と申します」「へえ!(重機の資格)取ったんだ!」

一方、この日進めたいのは、目玉の一つロフト作り。工夫次第で遊び心満載の場所に。
床と同じ要領で板を並べ、固定すれば「3人乗っても全然丈夫」
そして、トレーラーハウスづくりの山場となる壁板張りへ。
まず強度を保つための合板を骨組みに固定したら、見た目の印象を決める外壁は「鎧張りって言って、雨降っても入らない」

下から上へ板を重ねていく鎧張りは、DASH島の舟屋にも。
雨に強く、立体感のある力強い見た目になるが、このトレーラーハウスに必要な段数は15段。
しかも船首から船尾まで約5.5m。必要となる板は全長170m。
打つネジの数は300個超え。そこで、地元の仲間たちが助っ人に来てくれた。

森本組の菅野さん兄弟や地元の高校生たち。
「福島ユナイテッドFC」田中雄大選手、田中慶汰選手、野末学選手も駆けつけてくれた。
「農業部があるんです」震災の風評被害を払拭するため発足した農業部。
「(キング)カズさんも農作業やられてる」
では、総勢23名、力を合わせ、作業再開。

そして、2時間半をかけ、「ラスト一枚」「できた!ありがとうございます!」
「鎧張りいいですね」「アール(曲線)も綺麗に出てる」この日できたのは片側のみ。
ともあれ、感謝を込めて、慎太郎「DASH村らしく、おもてなししますか!」
まず、葛尾村の畜産農家・吉田さんから頂いた黒毛和牛。これを「ミンチにしていきます」

慎太郎が、そんな高級なお肉を使って作るのは、「元祖肉男米!DASH村ならではの新メニューを作ろうかなと」
しかも、「今回、巨大で作りたくて」
豚ミンチ、卵、塩コショウを加え、粘りが出るまでコネた肉、計4kg。
これを鉄板で直径40cmの巨大ハンバーグに。
中まで火が通ったらひっくり返して裏面も焼いていく。

その間に「新男米1.5升です」ご飯を押し広げながら鉄板で焼き、醤油を塗って香ばしく。
この上にハンバーグをのせ、採れたてのトマトをオリーブオイルで煮込んだソースを。
最後に、ライスのバンズで挟めば、「元祖肉男米、普通に言うと(巨大)ライスバーガーです」「お米が計3升の、お肉は4kg」そのお味は?
「かぶりついて!」「肉まで届かへん…でも美味しい!」「まじで今日の作業の疲れ吹っ飛ぶね」

すると、今度は城島と藤原が、「やんないと、一大イベント」
トレーラーハウスの3.7mのロフトの高さを活かし、夏のイベントを準備していた。
「“そうめん流し"ならぬ“そうめんスライダー"」
しかし、そのスピードは「速すぎる」「流しじゃなく落下」「流しそうめんじゃないよ!これ!」「違います、そうめんスライダーです!」

さらに、デザートは福島ユナイテッドFCの選手が育てた桃(あかつき)。
食べ方は地元福島ならではの「やっぱり、皮付きのまま食うのがうまいっす」
実りの季節まであと少し。
「トレーラーハウス(お米の収穫に)間に合わせないとね」「頑張ってこー!」