客を怒らせても「独自のルール」を曲げないラーメン店の本音。店主が明かす「合理的すぎる理由」とは

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店内でのトラブルが注意書きの始まり

『麺屋真星』の店内の至るところに注意書きの張り紙がある。その数はメニューやこだわりを上回る。それゆえに圧を感じるという口コミが見られるほどだ。なぜここまで増えたのだろうか。

「常連さんからのご意見ですね。もともとうちは1枚も張り紙はありませんでした。いわゆる人間の良心に任せていました。ある日、入店する方が出入り口を塞いでいて、退店される方とぶつかってトラブルが起きたことがあって……。それからは『1組様ずつ入ってください』とお声がけするようになりました」

「他には、ラーメン屋さんに多い『代表待ち』ですね。ひとりが来て座って『すぐ来ますんで』と言ったものの30分くらい来ず。満席で並びができてても、まだ注文が済んでいないという状況に陥りました。一緒に来た人が食べ終わるのを待ちながらしゃべって20分、30分いるのとは話が違います。それでも並びが長ければお声がけしますが、基本的には言いません」

テーブル席もありファミリー層も訪れやすい店とあって、もともとは口うるさく言わないスタンスであった。しかし、そうも言ってられない事態が続いていく。

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ルールとマナーの境界線

「ひどいのが飲食物を持ち込むこと。お声がけしたら『ダメなんですか?』と平気で言うんですよ。普通ありえませんよね。こちらはそういうことに関してしか声はかけてません。それってルールではなくマナーじゃないですか。ルールとマナーを一緒にして、ここはルールがうるさいとか、張り紙を見ればわかることを平気でやって注意したら態度が悪いという評価になる。もはや日本人はマナーがいい、礼儀が正しいというのは過去の話ですよ」

いつの間にか、マナーとルールの境界線がなくなり、そもそものマナーがルールとして捉えられ、結果店と客のすれ違いが生じ、それがレビューの低評価につながっていく。誰も得しない悪循環がおきている。

「張り紙がなくてお声がけすると『頭ごなしに言われた』という印象を与える可能性がある。それはしょうがないと思うんです。はじめてだからわからない。それは理解しています。ただ、張り紙に書かれたことを行ったお客さんに声をかけても身に覚えがありません。怒鳴られたと書く人もいますが、怒鳴るわけはないんです」

前回安田さんが言及されていたように、客商売をしている以上、嫌われようと思って接客はしないからだ。

注意書きはお客様を守るために

「店内で電話しちゃいけないのも、飲食店に飲食物を持ち込まないのも当たり前。ただ、うちは500円払えば持ち込みOKにしています。席料も500円いただければ、中で友人や家族を待ってもらってもいいようになっています」

来店時や入店の際に書かれた張り紙を読んでいくと、『真星』特有のルールが書かれている。これは、口コミの対応や、お店での接客から得た経験をもとにしたお店をよくする“改善”だ。

「ここまでやるのは、ルールを守ってくれてるお客さんを守るためでもあるし、もちろんスタッフを守る自衛でもあります。『ご不明な点はスタッフまでお尋ねください。お声かけください。』と書いてあります。だから初めて来た人でもわかるようになっています」

一方ですべて客のせいにできない側面もある。ラーメン屋さんは、お店のルールが厳しい。店主・スタッフが怖い、近寄りがたい。だから聞けない、聞いたら怒られる。そんなイメージを持っている方もいるだろう。

「職人気質な人は多いと思います。でも来ればわかります。どこのお店も、お客さんが来てイヤな思いをして帰らせようという人はなかなかいないでしょう。お客さんは神様じゃないとしても、大切にすべき」

SNSやレビューもまた一因に

「自分のルールを店に、また店がお客さんにルールを押し付けた結果、それぞれ嫌な思いをする。結局お互いの考え方の違いから生じるギャップなんでしょうね。レビュアーはラーメンという料理を理解した上で書いてほしいです」

最後に、安田さんはSNSやレビューサイトに対して改善をもとめた。

「レビューする人は大人なんだから、自分の言葉に責任を持ちなさいよってことで、本名と電話番号、身分証をちゃんと登録しないと書けないようにしてほしい。その責任を持てなくさせてるレビューサイトやSNSが一番悪い(笑)」

「ラーメンは正解のない料理」と安田さんは言う。だからこそ、お互いが上手にコミュニケーションがとれたら、素敵な食体験ができるのではないだろうか。作り手も食べ手も気持ちよくラーメンを食べられる世の中になることを願うばかりだ。

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