FBS福岡放送

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福岡県内の各地で、新米が店頭に並び始めました。コメの販売価格は、去年と比べ大幅に安くなっています。消費者から喜びの声が聞こえる一方、頭を悩ませている人もいます。

青々とした稲を刈り取る、花がさをかぶった巫女。

福岡市博多区の住吉神社で9月4日、「早穂祭」が執り行われました。

「早穂祭」は稲の生育に感謝し五穀豊穣を祈る神事です。刈り取った稲は神前に供えられました。

住吉神社によりますと、ことしの稲は順調に育ったということです。

そうした中、福岡市内のスーパーでは。

■八木菜月アナウンサー
「こちら、新米入荷と書かれたのぼりが掲げられています。」

こちらの店では、8月上旬から新米が売り場に並び始めたということです。

その価格はというと。

■ゆめタウン博多・松尾俊太朗 食品次長
「去年ほど、ことしはコメ不足ではありませんし、 かなり生産量も安定していますので、去年と比べると1000円ぐらい安い値段で販売しています。」

新米と一緒に販売される去年産のコメも、同程度の価格で販売されています。

農林水産省によりますと、8月23日までの1週間に全国のスーパーで販売されたコメの平均価格は、ことしの最安値となる5キロあたり3156円でした。

ことしのはじめには4416円だったコメの価格は、1200円ほど安くなりました。

■買い物客
「ものすごく助かります。おコメ大好きなので。」
「もううれしいです。常時必要なものですから、できるだけ(出費は)抑えたいなと。」

値下がりに消費者の顔がほころぶ中、コンビニ各社でも動きがありました。

先週、ファミリーマートは「大きなおむすび 昆布とツナマヨネーズ」を、これまでの320円から298円に値下げ。

セブン-イレブンも、9月8日から2種類の手巻きおにぎりを値下げすると発表しました。

ローソンは、コメの価格低下で、今後の仕入れ値を抑えられるメドが立ったため、9月29日から20種類を10円から11円値下げします。

背景にあるのは、“過去最大規模のコメ余り”です。

農林水産省によりますと、民間で抱えるコメの在庫量は過去最大の243万トンに上っていて、適正水準と比べると、少なくとも40万トン以上余っている状態です。

流通に詳しい専門家は、こうした状況がコメ価格の低下につながっていると指摘します。

■流通経済研究所・折笠俊輔 常務理事
「新米が出てしまうと去年産が古米になって、より安くなってしまう。そうなる前に売り切ろうと、かなり値引きをしたコメが世の中に出回っているので、そういう意味では店頭価格は安くなっていると思いますね。」

そうした状況に頭を悩ませているのが、コメの小売店です。

■いしぬき米穀店・石貫徹也さん
「令和7年産と8年産の価格差があまりにもありますので、販売価格を考えているのですが、なかなか値段の付け方が難しいです。」

倉庫の中には。

■石貫さん
「全部7年産です。こちらも全部7年産。」

例年であれば新米を入荷し、保管しておくという場所にまで、去年産のコメが置かれています。

高く仕入れたコメを在庫として多く抱える中、新米の仕入れ価格が去年の半額程度にまで下がっているため、価格を決めるのが難しいといいます。

■石貫さん
「損をして出すというか、ある程度、古米も使わないといけないので、その辺は在庫状況を見ながら価格設定をしていきたいと思っています。」

専門家は今後、本格的に新米のシーズンに入ると、去年産のコメはさらに値下がりする可能性があるとしています。

■流通経済研究所・折笠 常務理事
「新米と古米があって同じ値段だったら当然、新米の方を買いますよね。新米の出回りが増えてくれば、令和7年産米は新米よりも安く下がっていくことになると思います。」

一方で、ことしの新米の価格が、去年産のコメの価格に引きずられて下がっていることに懸念を示します。

■折笠 常務理事
「この価格が続いていくと、小規模な生産者さんたちが続けられなくなって辞めていく方が増えるので、5年後、10年後に生産者の数が減りすぎて、コメが足りなくなって相場が跳ね上がるみたいなことも、可能性としてはあると思います。」

積極的にコメを食べることが、生産者の応援につながるのではとしています。

※FBS福岡放送めんたいワイド2026年9月4日午後5時すぎ放送