ハザードマップは”1000年に1度”想定も 大雨被害はなぜ起こった?専門家が現地で調査分析 富山県氷見市
今回の大雨で浸水の被害が広がった氷見市を、水害研究の専門家が今週、現地調査しました。調査で見えてきたのは、氷見市の河川と地形の特徴が被害を大きくした可能性です。吉田記者がお伝えします。
おととい氷見市の被災地で調査を行っていたのは、水害を研究している富山県立大学の呉修一教授です。
富山県立大学 呉修一教授
「いまここの地盤の高さを測っているんですよね。ここから(浸水の)痕跡の高さを出すと、海水面からどれだけのところまで水が来たかが調査できる」
富山県立大学 呉修一教授
「西から東に線状降水帯が走るじゃないですか。だから縦に走っている一級河川とかは大丈夫だが、氷見の川って西から東にながれているじゃないですか。だから上流から下流までずっと雨が降り続けている状況だった」
こちらは先月27日に大雨となった時の雨雲の動きです。画面上部の氷見市に注目します。前日26日の夜から27日の朝にかけて、西から東の方向へ線状降水帯が断続的に発生し、氷見市上空にかかっていました。氷見市を流れる川は、山あいである市の西部から東の富山湾へと流れています。その流れと線状降水帯が重なり、川の全域に大雨が降っていました。
氷見市の降水量は、26日から28日午後5時までの48時間に479ミリで、観測史上最大となり、8月1か月の平均降水量のおよそ2・6倍に達しました。水位が急激に上がることで、川が氾濫するだけでなく、市街地などに降った雨が川に流れ込むことができず周囲にあふれていくいわゆる「内水氾濫」も起きていたということです。
富山県立大学 呉修一教授
「きょういろんな人の話を聞いていたら『川からも後ろからもいろんなところから水が来た』と言っていたが、まさにそういう状況になってしまった」
また今回の調査で呉教授が注目した地点の一つが、十二町潟の周辺です。おとといのエブリイでも指摘しましたが、このエリアは地面が海面よりも低い「海抜0メートル以下」の土地が広がっています。自然排水が難しいため、普段からポンプを使って川に排水していますが、今回の大雨では追いつかず広い範囲で浸水しました。
富山県立大学 呉修一教授
「これが半年くらい前に十二町潟でやった計算。右岸があふれやすいという計算を前もってやっていたが、今回案の定あふれてたまっていた」
呉教授は今回の氷見に限らず、過去に経験したことのないような大雨や浸水に備える必要があると話します。
富山県立大学 呉修一教授
「ハザードマップで想定最大規模で『1000年に1度』という想定をしているんだけど、まさか本当にこういう雨が降るかというところまで我々専門家でも少し甘く見ていたところがあったと反省している。ハザードマップで出ている時点で絶対におこるものだと思ってほしい」
呉教授は、今回の水害のメカニズムと対策についてさらに研究を進め、分析結果を行政や住民と共有したいと考えています。
今回の河川の氾濫や浸水、行政の対応については来週のエブリイでも検証します。

