【記録的大雨から1週間】戸惑いと不安の日々 「それでもここが好きだから」復旧へ一歩踏み出す
先週の大雨で氷見市では、今も復旧に向けて作業が続いています。大きな被害を受けた住民たちは、困惑と不安の思いを抱えながらも前に進もうとしています。川腰記者のリポートです。
宮下誠さん
「たまらんですね、見とったら」
氷見市万尾で代々、鮮魚店を営む宮下誠さんです。先月27日の大雨で、近くを流れる万尾川が氾濫し、店が浸水しました。
大雨から1週間。昨日も店の片付けに追われていました。
宮下誠さん
「ありますね、やっぱり。本当に忙しい時、この皿全部なくなったほどの仕出しだったから。やっぱり災害って恐ろしいですよ、怖いですよ。悲しいな、なんかまだきれいやから。まだ店できそうな感じ」
ウナギが自慢で、今年の土用の丑の日には、かば焼きに300匹のウナギを焼いていました。
宮下誠さん
「まだ実感湧かんですね、空になったら寂しい気持ち増えると思うけど、片付けるだけで目一杯やね」
店の再開のめどは全く立っていませんがー。
Q.地元の人とか「店をやってくれ」とか言われない?
宮下誠さん
「やっぱり言っていましたね。ウナギ食べたいとか、刺身食べたいとか。少なからずファンはいたから」
宮下さんは、まずは卸売りから仕事を再開する予定です。
県内を襲った記録的大雨から1週間。
氷見市では、広範囲で浸水や土砂崩れなどの被害が出て、今も復旧作業が続いています。
木和田直樹さん
「何とか、この米たちを消費者の方に届けたいという思いはとても強いです。(米は)自分の子どもと同じです」
氷見市長坂で兼業農家を営む木和田直樹さんです。
大雨で家の裏山が崩れ、実家の住宅と納屋、そして蔵が全壊しました。
大雨がなければ、先月末に稲刈りを予定していました。
木和田直樹さん
「まさか、こんなことになるとは。これをどう、これからしたらいいのかなと」
生まれ育った実家であり、コメ作りの大事な拠点だった場所を襲った土砂災害。おととしの能登半島地震でも被害を受け、去年の夏におよそ500万円をかけて修繕したばかりでした。
全壊した納屋には、農機具があり、取り出すこともできません。
木和田直樹さん
「ほぼ全て買い直しになるので膨大な費用と時間と労力がかかる。それでも長坂が好きでずっとここに通っているので、その気持ちは今も、これからも変わらない。それだけは絶対に言える」
氷見市の山あいにある長坂地区。斜面には棚田が広がり「日本の棚田百選」にも選ばれています。
ここで、木和田さんは、1ヘクタールの水田でおよそ30年に渡り、コメ作りを続けてきました。
おととい、市役所に設けられた被災住宅相談窓口に木和田さんの姿がありました。
木和田直樹さん
「ここ全部、更地にして建て直しをやりたいと思っているので」
相談員「今のり災証明で、これは片付く」
家の建て直しに向けて道筋が見え始めました。
木和田直樹さん
「市や県や国からの補助金が今一番重要になることを教えていただいたので。今少し前に進める」
そしてきのうー。
近所の人の協力で、稲刈りにもめどが立ちました。
伊藤裕彦さん
「やっぱりお互いさま。一枚でも二枚でも(稲刈りの)お手伝いができればいいかなと」
木和田直樹さん
「長坂は、私が生まれ育った場所でもあり、そして今農業がこうやってできるのも長坂地区の人からのいろんな支援、教えを受けたからできるようになってきた。ここで必ずもう一度農業ができるような環境を全部作り上げて、必ず1年も途切らすことなく今後も続けていきたい」
