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 ◇セ・リーグ 阪神3-5ヤクルト(2026年9月2日 神宮)

 阪神・佐藤輝明内野手(27)が、2日のヤクルト戦(神宮)で2試合連発となる32号ソロを放ち、86日ぶりに単独キングへ浮上した。先発・山野の前に3打数無安打と苦しんだが、土壇場で相手3番手・ウォルターズから一矢報い、プロ野球最速タイとなる6年目での通算500打点到達に王手を掛けた。チームは3-5で敗れ、連勝は5でストップ。それでも2位・巨人が敗れたため、優勝マジックは1つ減って「19」となった。最短9月15日の歓喜の瞬間へ向け、着実にカウントダウンを進めていく。

 4番の意地と執念が込められた鮮やかな放物線が、左中間スタンドへと伸びた。2-5で迎えた9回。先頭・中野が中前打を放つも、続く森下が三ゴロ併殺打。逆転勝利が風前のともしびとなっても、佐藤輝は屈しない。マウンドのウォルターズが2ボールから投じた外寄りの直球に反応。豪快にすくい上げ、32号ソロを刻んだ。

 「いい形で打てたんじゃないですかね」

 先発・山野の前に、3打数無安打2三振と封じられていた。0-4から2点を返した3回2死一、三塁でも空振り三振に倒れるなど左腕との今季対戦成績は、これで15打数1安打。だが、下を向いたまま球場を後にするわけにはいかない。土壇場の快音で、黄色く染まった左翼席を沸騰させた。31号で並んでいた森下を抜き、6月8日以来86日ぶりとなる単独キングへ再浮上。打率・320、87打点と打撃3冠部門すべてで単独トップに君臨するとともに、巨人・長嶋茂雄らに並ぶプロ野球史上最速タイの「入団6年目での通算500打点」到達にも王手を掛けてみせた。

 「まだまだ(試合が)あるんでね。一打席一打席、集中していきたいと思います」

 後輩との、し烈な本塁打王争いを、楽しむかのような雰囲気も漂う。この日の一発で、球団では85、86年バース以来となる2年連続40本塁打まで8本に迫った。残り24試合のため、3試合に1本ペースで到達することができる。その24試合中16試合が聖地・甲子園。今季打率・302、12本塁打と好相性を誇る“庭”に加え、いずれも本塁打の出やすい東京ドーム1試合、神宮3試合、横浜3試合(開催日未確定1試合含む)が残る。当然、森下も同じ状況。3、4番の“キングバトル”で、球団初のセ・リーグ連覇を目指す虎に勢いをもたらしたい。

 6回1死から見逃し三振に倒れた森下が球審の判定に不服な態度を示し、両者間に不穏な空気が流れた際には仲裁役も務めた。「それは、まあまあ…」。多くを語らずとも、身をていして仲間を守る器も持ち合わせる。あまたの伝説へ挑む秋。猛虎の主砲は、黙々と、淡々と、勝利だけを目指してバットを振る。(八木 勇磨)

 ○…佐藤輝(神)が9回に32号ソロ。31本塁打で並んでいた森下(神)を上回り、リーグ本塁打単独トップに立った。佐藤輝の本塁打単独トップは15本時点(2位・森下14本)の6月8日以来86日ぶり。これで通算499打点とし、プロ野球最速タイとなる6年目の通算500打点到達に王手をかけた。