マンションでプールは騒音なの?執拗な苦情に悩む30代子持ち夫婦が「子なしクレーム主」に同情してしまったワケ

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3歳の息子を育てる北村恵理奈さん(34歳・仮名)は、「専用庭でプール遊びができる」という不動産会社の言葉を決め手に、予算より3万円高い東京郊外の賃貸マンションの1階へと引っ越した。      

ところが、ママ友親子を招いて庭でプール遊びを始めると、大家から「子どもの声がうるさいと住民から苦情が入っている」と伝えられる。その後は声量に注意しながらプール遊びを続けるも、苦情は執拗に繰り返された。大家さえも「大袈裟すぎる」と困った様子を見せていたという。

そしてついには、自宅の玄関前に差出人不明のこんな文言の張り紙までされてしまう。

〈マンションでプール遊びはやめろ!住民の迷惑を考えろ!〉

不動産会社から「庭でプールができる」と勧められて選んだはずのマンションで、恵理奈さんは次第に生活そのものに恐怖を感じるようになる。

一体、誰がここまで怒っているのか?

八方塞がりになった彼女のもとに、ある住民から思いもよらない情報がもたらされる--。

前編記事〈「マンションでプール遊びはやめろ!」住民の苦情に30代子持ち夫婦が戸惑い…専用庭付きの新居で生じた「大きな誤算」〉から続く。

不動産屋が嘘をついたのか?

自宅ドアの張り紙の文字は殴り書きで、いかにも悪意を感じさせるものだったそうだ。

「独身時代も含めいくつかマンションには住んできましたが、こんな怖い経験をしたことは一度もありません。直接謝りたいと思って大家さんに電話をしましたが、クレームを言ってきた本人とは限らないため何も教えられないと断られてしまいました」

旦那さんは「そもそも不動産屋が『庭付きのマンションはプールで遊べる』と勧めてきた物件なのに話が違う」と怒り、契約した不動産会社に電話をかけたという。

「ただ、あちらも寝耳に水だったみたいです。『以前に同じくらいのお子さんが住んでいた時はこんなクレームはありませんでした』と申し訳なさそうに平謝りするばかりでした。嘘をついてこの家に住まわせたわけではないから、夫もそれ以上強くは言えませんでした」

次第に怯えて暮らすように

誰が執拗に苦情を言っているのかわからない以上、開き直って庭で遊ばせるわけにもいかなかった。このマンションに住んでいること自体が怖くなり、引っ越しも考えたが……。

「今は怖いニュースも多いですし、大袈裟だけど殺されたりするかもしれないじゃないですか。かといって、引っ越すとなっても何か補償されるわけでもない。まだ1年も住んでいないのに再び引っ越せば相当な額が飛んでいきます。家計へのダメージがかなり大きくて。

一方で、子どもは何が起こっているか何もわからないわけです。少し前まで入れたはずのプールに今は入れない。『なんでダメなの?プールで遊びたい』と騒がれてはなだめての繰り返しです。一体どうしたらいいんだろうと悩み続けました」

次第に、子どもの泣き声や些細な生活音に対しても過敏になっていき、恵理奈さんは怯えて暮らすようになってしまったという。そんな八方塞がりのある日、別フロアのマンション住民が話しかけてきたことで彼女はクレーム主の素性を知ることになる。

「エントランスで挨拶をしたことのある上の階の方に、『突然ごめんね。ひどい張り紙をされたって聞いたんだけど』と声をかけられました。『なんで知っているんですか?』と尋ねると、その方のママ友が私と同じ階に住んでいて、あの張り紙を見たそうなんです」

恵理奈さんのあまりに暗い顔を見て心配になったのだろう。「あまり気にしなくていいと思う」と言いながら、こんなことを教えてくれたそうだ。

苦情主が抱える苦悩

「あのね、このマンションには不妊治療をしている女性がいて、小さい子が越してくると過剰にクレームを言ってくるのよ。ただ、ごめんなさい、誰とまでは言えないんだけどさ」

もちろん、その住民の話が事実なのか、実際にその人物が今回のクレームや張り紙に関係しているのかは定かではない。ただ、可能性としては高そうだ。思いもよらない話を聞いた恵理奈さんの心境は複雑だったという。

「私も3年くらい不妊治療をした末にようやく子どもを授かったので、もしその方がクレームを言っていたとしても気持ちはわからなくはないです。化学流産を何回もしましたから。楽しそうな子どもの声を聞くのはつらいかもしれない。

かといって、この場合、どこまで相手に配慮したらいいんでしょうか。どこまで寄り添えばいいのでしょうか。不動産も大家も介入できない問題だから難しいです。夫は『賃貸だったことが不幸中の幸い』だと言っていますが……」

このまま今のマンションに住み続けるか、引っ越しをするか。恵理奈さんたちの結論はまだ出ていない。

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