地震後の火災をどう防ぐ “感震ブレーカー”の役割【いま動こう、みんなで防災プロジェクト】
きょう9月1日は「防災の日」です。103年前に起きた関東大震災がきっかけとなって定められましたが、その関東大震災では、亡くなった人のうち約9割が火災によるものと言われています。
そこで、地震後の火災について考えます。
今年7月の熊本地震でもその後に火災が発生していました。宇城市や八代市などで11件の火災が確認されています。
原因は調査中ですが、過去の震災の例からいうと電気系統が関係している可能性も考えられます。
東日本大震災では原因が特定された火災のうち、過半数が電気に関係していました。特に停電が復旧した時に発生する「通電火災」というものがあります。
実験映像です。大きな地震が発生すると、家具や家電が倒れた影響で、電源コードが傷つくことがあります。それに気づかないまま停電から復旧すると、傷ついたコードから発火し、火災につながるおそれがあります。
これが「通電火災」です。
同じように停電復旧後に電気ストーブが再び稼働して、近くに倒れていたものに火が着いてしまう例もあります。
「避難の時にはブレーカーを落として」と言われていますが、大きな地震の後はどうしても慌ててしまいます。
そこで今、消防庁も設置を推奨しているのが、この「感震ブレーカー」です。どういうものか取材しました。
住宅用分電盤や漏電ブレーカーなどを製造販売するテンパール工業です。感震ブレーカーを見せてもらいました。
■テンパール工業 荻野 鈴加 さん
「こちらの住宅用分電盤にとりついている『感震センサー』が、“震度5強相当以上”の揺れを感知すると、約3分後にこちらのメインブレーカーを遮断する仕組みとなっています」
地震が起きた想定で、デモ用の分電盤を揺らしました。
■テンパール工業 荻野 鈴加 さん
「地震を感知すると、このように音とランプでお知らせするようになります」
しばらくすると・・・
■感震センサーのお知らせ音
「ピピピッ・・・カチッ」
■テンパール工業 荻野 鈴加 さん
「ブレーカーが落ちました」
メインのブレーカーが自動で切れました。
■広島テレビ 塚原 美緒 気象予報士・防災士
「“3分後”に切れるのは、どうしてですか?」
■テンパール工業 荻野 鈴加 さん
「避難時の明かりを確保するためになります。必要なものを集めて、ニュースとかも確認してという時間が必要になると思いますので、とても大事な3分間かと思います」
感震ブレーカーの出荷数は全ブレーカーの3%程度というデータもあり、まだ設置は進んでいない状況です。(日本配線システム工業会発表)
■テンパール工業 荻野 鈴加 さん
「(特に)築年数がたっている木造住宅や住宅密集地域に住んでいる方には感震ブレーカーをつけることが有効です」
7月の熊本地震以降、問い合わせは増えているということですが、実際にはまだ普及率は低い現状です。
新築の家でなくても、今住んでいる家に後付けで設置することが可能です。感震ブレーカーにはいくつかタイプがあり、分電盤の中にスペースがあれば感震センサーを追加して設置できます。なくても外付けできるものや、簡易的なものなど種類があります。値段は数千円から十数万円くらいまで幅があり、多くは電気工事士による工事が必要です。
感震ブレーカーそのものは、普通の分電盤より3万円くらい高いこともあり、新築の場合でも自分から「感震ブレーカーをつけたい」と言わない限り、つかないことが多いそうです。
マンションや賃貸の場合は、設置の際に管理会社への確認が必要になるので、この機会に自宅の状況を確認してみてください。
【テレビ派 2026年9月1日 放送】
