「ファンのど真ん中を狙う」 メルセデス・ベンツ Cクラス・エレクトリック(1) 動力源の変化は意識させず 圧巻のハイパースクリーン
パワートレインの変化を意識させない
メルセデス・ベンツの重要なマイルストーンとなるはずの、Cクラス・エレクトリック。140年の歴史を持つドイツのプレミアムブランドは、遂に象徴的モデルのバッテリーEV版を販売する。BMWもノイエクラッセ世代の3シリーズを、いよいよ提供するが。
【画像】ブランド基準でも唸るほどの洗練度 Cクラス・エレクトリック メルセデスの電動サルーン 最新GLCも 全123枚
同社を率いるオラ・ケレニウス氏は、「メルセデス・ベンツ・ファンのど真ん中を狙いました」と主張する。近年のベストセラーは中型SUVのGLCではあるが、真価が問われる主力モデルは、Dセグメントに属する上級サルーンなことは間違いない。

メルセデス・ベンツ Cクラス 400 4マティック・エレクトリック・スポーツ(欧州仕様)
新しいCクラスの特徴は、パワートレインの変化を意識させないことだと、ケレニウスは話す。「(これまでの)ディーラーやユーザーからのフィードバックは期待通り。美しいですね。おっ、電気自動車なんですね? それは素晴らしい。こんな反応です」
プラットフォームは、中型EV用に開発された、MB.EA。最新の電動版GLCと技術的な関係性は深く、パワートレインは電圧800Vで制御され、急速充電は330kWに対応する。
電動版GLCと一致する最高出力やバッテリー容量
最初に投入されるのは、AMG仕様を除いて最強となる、ツインモーターで四輪駆動の400 4マティック。最高出力は総合490ps、最大トルクは81.4kg-mが主張される。ちなみに、このスペックは電動版GLC 400と一致する。
94.0Whの駆動用バッテリーも同一たが、ボディが低く空力特性に優れ、2460kgの車重も比較すれば軽いため、航続距離は18インチ・ホイールで761kmと長い。英国仕様は19インチが標準となり、最長で727kmへ縮まる。

メルセデス・ベンツ Cクラス 400 4マティック・エレクトリック・スポーツ(欧州仕様)
リアモーターには、効率を高める目的で2速ATが組まれ、ギア比は11:1と5:1だそうだ。フロントモーターは、低負荷維持にタイヤから切り離され、航続距離を伸ばすことへ貢献。必要な時は、しっかり加勢もする。
英国価格は、ベースグレードのスポーツで5万7995ポンド(約1247万円)から。22kWのAC充電器へのアップグレードは、1000ポンド(約22万円)のオプションとなる。
過去のメルセデスに通じるフロントグリル
スタイリングのテイストも、電動版GLCと似ている。一方で、 ウィズEQテクノロジーは用いられず、Cクラス・エレクトリックと、従来から呼び方は変化した。
フロントグリルは、物議を醸しそうなほど大きいが、過去のメルセデス・ベンツで用いられてきた造形へ通じる。1000ドット以上の光源で、きらびやかに輝くのが2026年らしい。全体的には、確かな個性を感じる見た目だと思う。

メルセデス・ベンツ Cクラス 400 4マティック・エレクトリック・スポーツ(欧州仕様)
ボディサイズは、エンジン版の5代目Cクラスから大幅に拡大。全長は4883mmあり、約130mmも伸びている。プロポーションは、典型的な上級サルーンだと表現できる。角度によっては、若干バランスが悪く見えなくもないが。
2026年後半には、エンジン版も大幅なアップデートを受け、電動版と似たボディが与えられる予定。ただし、技術的にはまったくの別物にある。
圧倒されるほど巨大なMBUXハイパースクリーン
インテリアは、いかにも現代のメルセデス・ベンツ。見慣れた雰囲気といえ、素材は概ね上質で高級感に不足はなく、居心地が良い。試乗車のダッシュボード前面は、圧倒されるほど巨大なモニターパネル、MBUXハイパースクリーンが覆っていた。
サイズは39.1インチで、ひと昔前のリビング用TV並み。グラフィックは鮮明で反応は素早く、システムのインターフェイス・デザインも優秀といえる。AI技術を用いた音声操作機能は理解度が高く、往年のTVドラマ、ナイトライダーを筆者は思い出した。

メルセデス・ベンツ Cクラス 400 4マティック・エレクトリック・スポーツ(欧州仕様)
また、マイクロソフト・チームズにも対応。試乗時は、先行車両と車内通話で連絡を取ることが可能だった。車内カメラは、安全性を理由に走行中は利用できなくなる。
ただし、MBUXハイパースクリーンは上位グレードのみ。それ以外には、新型CLAと同じ3面構成のモニターか、ひと回り小さいMBUXスーパースクリーンが実装される。
ボディサイズ拡大で生まれた乗員空間のゆとり
フロントシートは優しく体を包み込み、座り心地は素晴らしく、マッサージ機能も内蔵する。内装は持続可能性へ配慮された素材も選べるが、選択肢は多く、風合いの良い本皮で仕立てることもできる。これまでのCクラスのように。
ボディサイズが拡大した結果、前後の乗員空間にはゆとりが生まれた。頭上には、ロゴのスリー・ポインテッド・スターが散りばめられたパノラミック・ガラスルーフが広がり、開放感も抜群。魅力の1つに数えられる。

メルセデス・ベンツ Cクラス 400 4マティック・エレクトリック・スポーツ(欧州仕様)
荷室容量は470L。フロントのボンネット下にも、101Lの収納があるのは強みだろう。
走りの印象とスペックは、メルセデス・ベンツ Cクラス・エレクトリック(2)にて。
