Appleは同社からOpenAIに引き抜かれた元従業員が企業秘密ファイルを盗み出したとして、OpenAIと元従業員を訴えています。この訴訟に関する新しい資料をAppleが裁判所に提出しました。この資料について、Apple関連メディアの9to5Macは「衝撃的な証拠」と報じています。

EXHIBIT A REDACTED VERSION OF DOCUMENT FILED UNDER SEAL

https://9to5mac.com/wp-content/uploads/sites/6/2026/08/Apple_Inc_v_Liu_et_al__candce-26-07078__0094.1.pdf

Apple reveals 'shocking evidence' from ex-employee's MacBook in OpenAI suit - 9to5Mac

https://9to5mac.com/2026/08/31/apple-openai-forensic-macbook-evidence/

OpenAIでハードウェア担当最高責任者を務めるタン・タン氏は、もとはAppleの製品担当ヴァイスプレジデントで、iPhoneのプロダクトデザインチームのリーダーを務めていたという人物。タン氏はOpenAIによるApple社員の引き抜きに関与しているとみられています。そして、チャン・リュウ氏は2026年1月にOpenAIがAppleから引き抜いた人物。

このリュウ氏がAppleを退社する際に、MacBookを返却せずに情報ごと持ち去り、認証バグを利用してAppleの社内ネットワークに侵入してハードウェア関連の企業秘密ファイル数十点を盗んだとして、AppleはOpenAI、タン氏、リュウ氏を訴えました。

AppleがOpenAIを企業秘密侵害で提訴 - GIGAZINE



なお、元従業員がAppleの企業秘密ファイルにアクセスできた理由は、「Appleが従業員に仕事用と個人用のiCloudアカウントを混在させることを推奨した結果」であるという指摘もあります。

Appleが従業員に仕事用と個人用のiCloudアカウントを混在させることを推奨した結果、元従業員は退職後も機密性の高い社内ファイルにアクセスできていることが明らかに - GIGAZINE



これに対して、OpenAIは「提訴する前に相談してくれれば喜んですべて説明していた」「Appleの主張には誤りがある」と反論しています。

OpenAIがAppleによる訴訟に反論、「提訴する前に相談してくれれば喜んですべて説明していた」 - GIGAZINE



この訴訟に関する新しい証拠文書が裁判所に提出されました。Appleによるとリュウ氏は同社を退社した後に、MacBookを返却したそうです。AppleはこのMacBookをフォレンジックし、削除されたデータを復旧。そして、データ復旧の初期分析により以下の4つの事実が明らかになったと報告しました。

・リュウ氏はAppleの機密回路図をダウンロードしただけでなく、OpenAIでの自身の業務にも利用した。

・OpenAIへ転職した後のリュウ氏や他の関係者はAppleのサードパーティー製クラウドストレージに不正アクセスしていたことを十分に認識していた。

・リュウ氏はAppleによる自身に対する内部調査を知った後、証拠を破棄するようOpenAIの同僚に指示を送り、同僚はそれに従った。

・リュウ氏はOpenAIでの業務において、Appleの開発作業で使用される社内エンジニアリングアプリケーションと同じ名前のツールを使用していた。



Appleはリュウ氏が電気工学ツールのLTspiceを使い、回路図ファイルを使用してシミュレーションを行ったと主張しています。実際、リュウ氏はメッセージの中で「自身のAIエージェントにLTspiceを利用させ、結果を検証することを学習させた」と言及していたそうです。

Appleは企業秘密情報がAIエージェントやAIモデルに入力され、そこからトレーニングが行われる場合、それにより「企業秘密が不可逆的かつ継続的に利用・拡散される可能性があります」と主張しました。