KKT熊本県民テレビ

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熊本地震は農業や漁業にも大きな被害をもたらしました。特に深刻となっているのが、農作物や魚を育てるために欠かせない水の問題です。

最大震度6強を記録した熊本県八代市。県内でも有数の農業が盛んな地域で、トマトの一大産地でもあります。

(トマトドリームカンパニー 宮崎章宏社長)
「こちらが苗場になります」

年間に約1400トンのトマトを出荷するというこちらの農園では、10月の出荷に向けトマトの苗を植える準備をしています。

しかし、地震によって起きた“ある問題”に頭を抱えていました。

(トマトドリームカンパニー 宮崎章宏社長)
「ちょっと葉っぱの周りが黄色くなっている。(地震の影響による)症状が全体的にあるんですけど、たぶん“水の影響”でストレスを感じているのかな」

従来と比べトマトの苗の生育が遅れているというのです。

今回の地震で、八代市内では1000か所以上で農業用水路が損傷するなどしているため、植物たちの成長にとって何よりも大切な水を十分に与えることができていないのです。宮崎さんのハウスで育てている苗と県外から購入した苗と比較すると、明らかに苗の生育に大きな差が。

さらに、頼みの綱である敷地内の井戸水にも“変化”が起きていました。

井戸水の塩分濃度を計測してみると…。

(トマトドリームカンパニー 宮崎章宏社長)
「今、これは(塩分濃度が)1140前後なんですけど、普通は300とか400ぐらいなんですね。通常より3倍近い濃度があるのかなと」

全国屈指の干拓地としても知られる八代市。宮崎さんは、今回の地震の影響で井戸水に海水が混じってしまっているのではないかと考えています。

正確な県の調査はこれからですが、その影響は、確実に農家たちが大切に育ててきた農作物に現れていました。

(トマトドリームカンパニー 宮崎章宏社長)
「植物も人間もそうなんですけど、水がないとやっぱり生きていけない。こういう震災がないと改めて思うことはないので、(水の)大事さがわかった」

地震の影響は、トマト農園から車で約10分のこちらの施設でも。

(NNN取材団 内田唯子記者)
「廃校となった小学校でサーモンの養殖が行われていましたが…水槽には魚が1匹もいません」

この場所では、2024年から廃校となった小学校を利用して、トラウトサーモンの養殖を行っています。

しかし、地震による停電で水槽に酸素を送る機械が動かず、酸素不足に。地震から3日後には、養殖していた1200匹全てが死んでしまったといいます。

(施設管理を担当 松島征紀さん)
「どんどん魚が死んでいってしま う状況でした。もっと守れなかったのかという思いもあって…。できればこれで諦めたくないという思いもあるんですけど、こればっかりはですね…悔しいですね」

今年5月からふるさと納税の返礼品としての出荷も始めたばかりでした。損失額は、設備の修復なども含めると約2000万円にのぼるといいます。

(施設管理を担当 松島征紀さん)
「これから食卓に届けるんだという思いでやってきた矢先だったんですけど…こんなことになって、いたたまれないですね」

養殖場の運営会社は、「時間をかけても復活したい」としていますが、地震で大きな打撃を受けた農業や水産業への支援の道筋はまだ、これからです。