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 ◇セ・リーグ 阪神4─1巨人(2026年8月29日 甲子園)

 球団初のセ・リーグ連覇へ、初めてマジックが点灯した。しかし、藤川監督が厳格な姿勢を崩すことはない。

 「何もおごることなく、あごを上げることなく、両脇をきっちり締めて明日(30日)を迎えたい」

 強いリーダーシップで虎を率いる指揮官に、感謝を抱く裏方がいる。打撃投手の高田周平さん(41)だ。この日も選手を相手に黙々と投げ込んだ。その目には、藤川監督から贈られたサングラスがかかっていた。

 異変に襲われたのは昨年12月。これまでにないまぶしさを覚え、やがて視界がゆがみ始めた。診断結果は「右目の網膜剥離」。医師からは「放っておいたら失明する。手術が必要だ」と告げられた。

 1月にメスを入れ、2月のキャンプは休養を余儀なくされた。3月に復帰したものの、仕事に穴を開けた申し訳なさが残った。そんな折、藤川監督から「サングラスプレゼントするよ」と声がかかる。監督自身がサポート契約を結ぶタレックス社製のものだった。紫外線が発症の一因になった可能性があり、今では仕事上の必需品になっている。

 「キャンプに行けず、チームにものすごく迷惑をかけた。そんなときに心配してくれ、気遣ってくれたことが本当にうれしかった」

 藤川監督は妥協を許さず、コーチ陣への要求は厳しい。その一方で裏方への温かい配慮もある。方向性を見失っている選手には、LINE(ライン)を使って直接アドバイスを送る。硬軟織り交ぜた組織づくりが強い虎を生み出している。(倉世古 洋平)

 ◇高田 周平(たかだ・しゅうへい)1985年(昭60)6月3日生まれ、兵庫県西宮市出身の41歳。関西創価(大阪)では甲子園出場なし。創価大、BC・信濃を経て09年育成ドラフト1位で阪神入り。在籍2年で支配下選手への昇格ならず、1軍出場なし。2軍通算13試合0勝0敗1セーブ、防御率4・70。12年にBC・信濃へ復帰し、同年限りで引退。13年から阪神で打撃投手。左投げ左打ち。