猛暑を避けて、夏の3ヶ月だけ「北海道」で暮らしたい! 年収「600万円」、東京の自宅を残したままでも、季節移住は現実的でしょうか?
東京の自宅を残して北海道で3ヶ月暮らすと追加で50万~70万円程度かかる可能性がある
「季節移住」でまず考えたいのが、二重生活による負担です。
国土交通省が公表している「二地域居住等の最新動向について」では、二地域居住のデメリットとして、交通費や移動時間などの「移動が負担となった」が29.3%、「生活拠点にかかる費用が負担となった」が18.1%でした。東京の自宅を維持するなら、北海道で必要になるお金は基本的に追加支出と考えたほうがよいでしょう。
例えば札幌市内のマンスリーマンションを見ると、2026年8月時点で1Kの3ヶ月以上のプランが月10万5000円程度の例があります。3ヶ月なら約31万5000円です。
さらに、札幌中心部などを除けば、車があると生活しやすい地域が多くあります。札幌のレンタカー会社では、小型車の1ヶ月料金が4万2900円、補償込みでは5万9400円という例があります。3ヶ月なら約17万8000円です。これにガソリン代、東京と北海道を往復する交通費なども加わります。
そのため、住居費約32万円、車代約18万円、ガソリン代や往復交通費などを合わせ、3ヶ月で50万~70万円程度の追加予算を用意しておくと安心でしょう。年収600万円に対して決して小さな金額ではありません。特に東京の家賃や住宅ローンの負担が大きい人は、毎月の収支だけでなく、貯蓄からいくら出せるかも確認しておきましょう。
北海道は住居費を抑えやすい一方、家賃以外の生活費は高め
「北海道なら東京より生活費も安いだろう」と考える人もいるかもしれません。しかし、必ずしもそうとは限りません。
総務省統計局が公表している2024年の「消費者物価地域差指数」によると、全国平均を100とした北海道の「住居」の指数は87.1で全国36位です。一方、家賃を除いて比較する「家賃を除く総合」は103.0で全国1位となっています。特に「光熱・水道」は119.6で全国1位です。
つまり、通常の賃貸住宅なら住居費を抑えやすい一方、食料や日用品、光熱費なども含めた生活費全体が安いとはいえません。
季節移住の場合、東京で普段使っている食費などがそのまま北海道での支出に置き換わる部分もあります。そのため、生活費をすべて「追加費用」と考える必要はありませんが、「北海道へ行けば日常生活そのものが安くなる」と期待して予算を組むのは避けたほうがよいでしょう。
「ちょっと暮らし」を使えば住居費をさらに抑えられるケースも
費用を抑えたい場合は、北海道内の自治体が提供している移住体験住宅も選択肢のひとつです。「ちょっと暮らし」と呼ばれる取り組みでは、家具・家電付きの住宅などを利用して、実際の北海道生活を体験できます。
料金は自治体によって大きく異なります。例えば中川町の体験住宅は5~10月が1ヶ月5万円です。 また、浦河町には5~10月が月8万円で、水道光熱費込みの体験住宅があります。 民間のマンスリーマンションより数万円安くなるケースがあるため、3ヶ月では10万円以上の差になる可能性があります。
ただし、希望すれば必ず利用できるわけではありません。自治体によっては希望日が重なると抽選になります。南幌町も、希望日が重複した場合は抽選としています。 また、施設によっては移住や二地域居住を検討していることが利用条件となり、単なる観光目的では利用できません。
夏に利用したいなら、早い時期から自治体の募集時期や利用条件を確認しておくことが重要です。
まとめ
年収600万円でも、東京の自宅を残したまま3ヶ月北海道で暮らすことは可能と考えられます。ただし、「北海道なら安く暮らせる」という前提ではなく、通常のマンスリーマンションとレンタカーを利用するなら、50万~70万円程度の追加予算を見込んでおいたほうがよいでしょう。
負担を減らすなら、「ちょっと暮らし」などの体験住宅を探す、公共交通機関で生活できる地域を選んでレンタカーを必要な日だけ借りる、といった方法が考えられます。
いきなり3ヶ月間の生活を毎年続けると決める必要もありません。まずは数週間から1ヶ月程度滞在し、実際の生活費や仕事のしやすさを確認する方法もあります。猛暑を避けることにどの程度のお金を使えるのかを家計と照らし合わせながら、自分に合った季節移住の形を探してみるとよいでしょう。
出典
国土交通省国土政策局 二地域居住等の最新動向について(29ページ)
総務省統計局 消費者物価地域差指数-小売物価統計調査(構造編)2024年(令和6年)結果- 別表1 10大費目別消費者物価(10ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

