デコボコだらけの表面 アルマ望遠鏡が観測した「ベテルギウス」の姿
こちらは、ALMA(アルマ望遠鏡)が観測したオリオン座の赤色超巨星「ベテルギウス(Betelgeuse)」の姿。地球から約600光年先にあります。

この画像は、2019年から2020年にかけて観測されたベテルギウスの大幅な減光と、後述するホットスポットとの関連を調べるために、2023年にアルマ望遠鏡で取得した観測データを使って作成されました。大きく波打つようにデコボコした表面を持つベテルギウスの様子が、鮮明に捉えられています。
内部から沸き立つガスが生んだ高温領域
私たちにとって最も身近な恒星である太陽は、比較的滑らかな球形をしています。ところが、太陽の800倍近くにまで膨張した赤色超巨星であるベテルギウスの場合は事情が異なります。表面がデコボコしているベテルギウスの見かけの半径は場所によって最大6%ほども差があることが、アルマ望遠鏡の観測で示されています。
画像に向かって左上に見える明るい領域は、周囲と比べて最大で800℃ほど温度が高いホットスポットです。今回の観測を実施したESO(ヨーロッパ南天天文台)の天文学者Bill Dent氏を筆頭とする研究チームは、ベテルギウスの内部深くから立ち上る高温ガスの巨大な泡が、こうした表面の凹凸やホットスポットを生み出していると説明しています。
2015年の観測でも同じ場所にホットスポットが
今回の観測で見つかった最も明るいホットスポットは、7年前の2015年に取得されたデータでもほぼ同じ位置に確認されています。このホットスポットは、星の内部で起こる対流に関する理論モデルで予測された寿命よりもかなり長く持続しており、研究チームは驚いたといいます。
この持続性は、ベテルギウスの近くを公転しているとみられる伴星「シワルハ(Siwarha)」の存在と関係している可能性も指摘されていますが、2026年8月の時点では直接の関連は確認されていません。ベテルギウスの伴星を巡っては近年新たな証拠が報告されており、今後の観測を通じてホットスポットとの関係が明らかになるか注目されます。
ベテルギウスは晩年を迎えた恒星であり、いずれ超新星爆発を起こすと考えられています。Dent氏は「超新星爆発という最期を迎える運命にあるからこそ、今の姿をありのままに知ることは非常に興味深いのです」と述べています。
冒頭の画像はESOから2026年8月24日付で公開されています。
文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
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