《中野“2億円”時計窃盗》「盗んだ3本の時計は落とした」「計画性はなかった」来日わずか4日で襲撃し、逮捕されたチリ人の男の供述にビル関係者は違和感「警備情報が洩れていた?」
東京・中野のサブカルチャーの聖地「中野ブロードウェイ」が白昼の凶行に揺れた――。8月25日午前11時50分ごろ、1階にある高級時計店のショーケースが破壊され、約2億300万円相当の高級腕時計4本が盗まれる事件が発生した。警視庁は27日夜、大阪市内に潜伏していたチリ国籍の男2人を窃盗容疑で逮捕。施設関係者からは「警備の見回り時間が漏れていたのではないか」との証言も浮上している。
《画像》「娘と中野に来たかった」「時計3本は落とした」とも供述しているマンサーノ容疑者の顔写真
盗まれた3本の行方はわからず
事件が起きたのは8月25日午前11時50分ごろ。被害に遭ったのは、中野ブロードウェイ1階にある高級時計店だ。奪われたのは、それぞれ数千万円の価格で取引される「リシャール・ミル」3本と「パテック・フィリップ」1本。販売価格は合計で約2億300万円にのぼるという。
社会部記者が事件の経緯を明かす。
「手口は極めて大胆かつ手際の良いものでした。店舗の入口付近にあったショーケースをハンマーで破壊し、わずか10秒ほどで高級時計4本を鷲づかみにして奪い去っています。店員にケガなどはありません。現在のところ強盗ではなく窃盗容疑での逮捕です」
警視庁捜査3課と中野署は防犯カメラなどを捜査し、2人の足取りを追った。逮捕されたのは、ピニャ・グスマン・ジェレミー・パオロ容疑者(23)と、マンサーノ・ケサダ・ボリス・アレクシス容疑者(33)。いずれもチリ国籍で住所・職業不詳だ。
「2人は8月21日、オーストラリアのシドニーから羽田空港へ短期滞在目的で入国したばかりでした。来日からわずか2日後に下見をし、その2日後に犯行に及んだとみられています。
事件直後、1人は電動キックボードに乗り、もう1人は徒歩で別方向へ逃走しました。2人は現場から数百メートル離れた場所で合流し、逃走に使ったキックボードや身につけていた衣類、帽子などを捨てて着替えています。その後、少なくとも1人がJR中野駅の改札へと向かい、その日のうちに新幹線で大阪へ逃走しました。
そして事件から2日後の27日夜、大阪市内の民泊施設に身を潜めていたところを警視庁の捜査員に踏み込まれ、身柄を確保されたのです」(前出・社会部記者)
マンサーノ容疑者は「時計を売って現金化し、母国へ持ち帰るつもりだった」「盗む計画をしたわけではないが、機会があればやろうと思っていた」「中野の店は薄いガラスで出入口も近くこれならできると思った」と容疑を認めているという。一方、ピニャ容疑者は「盗んだのは1本だけ」と主張し、一部否認を続けているという。
現在、盗まれた4本の高級時計のうち、3本の行方が分かっていない。警察が押収したのは、2人のうちどちらかが所持していた1本のみ。残る3本について、マンサーノ容疑者は「逃走中に落とした」と供述しているという。
「警備の見回り時間が漏れていたのでは?_」
近隣店舗の女性は、事件当時の様子をこう振り返る。
「私の知り合いが当時近くにいて、パリンという音を聞いていたそうです。その後、男2人が黒っぽい服装で、先頭の人物はそのまま走り、後ろの人物は大きな黒いリュックをお腹に抱えていたと聞いています。店員さんも追っていたそうです」
ブロードウェイの施設関係者は、犯行時の状況について次のように語る。
「事件が起きた当時、ガシャンという音とかは全く聞こえず、人の騒ぎで異常事態に気づき、私たちが駆けつけた頃には犯人もいませんでした。タイミングがあまりにも良すぎる。中野ブロードウェイの警備の見回りの時間が漏れているのではないかと、施設内では言われています」
中野ブロードウェイは高級時計の販売店が集まるエリアとして知られ、外国人観光客も多く訪れるという。
「中野ブロードウェイは中国人をはじめとする外国人観光客が多く来る印象です。その理由のひとつが、3階に時計の免税店があることで、多いときには数十人が階段に列を作って並んでいます。外国人観光客の間でも、高級時計が集まる場所として知られているのかもしれませんね」(前出・施設関係者)
今回の極めて短時間での犯行について、同じ施設内にある大手買取店のスタッフはこう証言する。
「ここだけの話なんですけれども、そもそも10秒で犯行なんて難しいと思います。超高級時計が置いてあるショーケースなんて、なかなか割れないですからね。元から襲いやすい店舗がどこかわかっていたはずです」
来日からわずか4日後に起きた、2億円を超える高級時計の窃盗事件。警視庁は背後に指示役がいるとみて、行方の分からない3本の時計の捜索とともに、事件の全容解明を進めている。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
