総合格闘家の平本蓮が、来月10日に京セラドーム大阪で開催される『超RIZIN.5 浪速の超復活祭り』でついにリングへ帰ってくる。MMA復帰戦の相手は、萩原京平を1Rで粉砕し、フェザー級戦線を恐怖に陥れている怪物カルシャガ・ダウトベックだ。

【映像】「大人になったね」平本蓮が武尊との対談でみせた“表情”と“葛藤”

 あえてイージーな復帰戦を拒み、危険な強豪を選んだ平本。過激なトラッシュトークの影に潜んでいた壮絶な精神的苦悩、そして復帰戦にかける凄まじい「闘気と本音」が、格闘家・武尊との対談、そして復帰までの密着取材で明かされた。

「3年くらい前まではどんどん過激になっていくにつれ、どんどん(自分に)飲み込まれていくというか……」

 会見やSNSで相手を激しく煽り、格闘技界の話題を独占してきた平本だが、武尊との対談の中で、自身が作り上げた“悪童”という像に苦しめられていた過去を告白した。「いつしか全然違う自分になってるような気もして、おかしかったですね。人に顔を見られたくないから帽子を深くかぶって、フードかぶって……常に顔を見られるのも嫌な時期があった」と、心が蝕まれていた暗黒期を吐露。しかし、そのどん底を経験したからこそ、「僕のファンって『この世界クソだ』と思ってるような子たちが多い。そういう人たちに『人生捨てたもんじゃない』っていうのを見せていきたい」と、自らの戦いを通して同じ悩みを抱える人々へ勇気を与えるという新たな使命感を覗かせた。

 復帰へのプロセスの中で臨んだ皇治とのボクシングエキシビション(RIZIN.53)。会見では注射器やステロイドネタで挑発し大きな話題を呼んだものの、試合は決定打を欠いたまま終了。「ぶっ飛ばしてやるって思ってたんですけど、いざ当日になったら全然燃えん(笑)」と苦笑いで振り返る平本だが、この一戦を経て「あの試合が終わった後に痛感した。やっぱ俺は強いやつとやらなきゃいけないって」と、生半可な相手では己の魂は燃え上がらないことを再確認したという。

 平本は「自分をとにかく大切に、人間味を見せていきたい」「“感謝”をテーマに。今までは一人でやってきたって感じてたんですけど、別に一人ではない努力というか、みんながいてこその努力だったので。そういうのを試合を通して伝えていきたい」とも語る。「過激すぎることとか、もう頑張らなくてもいいんだ、みたいな。でもキモいやつがいたら言っちゃうんだろうな(笑)」平本の本音と葛藤を終始頷きながら傾聴していた武尊は、彼の心境の変化について「そこが魅力でもあるから。そこも無理してなくさず、でも試合は試合で結果残してくれれば」などと応答し、エールを送った。

『超RIZIN.5』では、平本はMMA復帰戦、武尊は引退式の開催という形で、久々に両者の共演が実現する。

「『やばい、やられるかも』みたいなのがあった方が、絶対自分自身も強く行ける」

 約1年10ヶ月ぶりとなるMMA復帰戦の相手にダウトベックを選んだ理由について、平本は「最初、謎外国人当ててもらおうと思ったんですけど、変に油断して挑む自分って絶対弱い状態だなと思って」と明かす。あえて“恐怖”と向き合うことで自身を極限まで追い込むのが平本の美学だ。ダウトベックが萩原を破った試合を分析した際も、「ずっと右の取り合いだったんで、あれはやっぱ貰う。あれは俺でも当てられる」「ダウトベックに絶対当てられるカウンターがあるんで。ジョゼ・アルドみたいに(※『UFC 194』にて、コナー・マクレガーがアルドをカウンター一発で沈めた一戦のように)なりますよ」と不敵に言い放ち、鋭い打撃IQで既に勝ち筋を見出している。

「復帰戦だからって安直な試合したって意味がない。ファンをこれだけ待たせたんで、最高に上がる試合をしないと」。暗闇を抜け出し、心の底から湧き出る闘志を取り戻した平本蓮京セラドーム大阪のリングで、男は再び格闘技界の頂点へと駆け上がるための「超復活」を果たせるのか――決戦の瞬間は、もうすぐそこに迫っている。