ドジャースを揺るがすオーナーの財務問題 「MLBのサラリーキャップ論」にも影響か、NBAのレイカーズ売却に続きプレミアリーグのチェルシーも検討
大谷翔平らスター選手を次々と獲得し、MLB屈指の大型補強を続けてきたロサンゼルス・ドジャース。その球団を率いるマーク・ウォルター氏をめぐる財務問題が、MLB全体を揺るがす可能性が浮上している。
米『Sports Illustrated』によると、ウォルター氏は現在、ニューヨーク・マンハッタンの連邦検察と米証券取引委員会(SEC)の調査を受けている。現時点で起訴はされておらず、調査には協力しているという。
この問題はドジャースとも無関係ではない。2012年にウォルター氏のグループがドジャースを21億5000万ドルで買収した際、約12億ドルがウォルター氏の支配下にある保険会社から調達されたとされる。
さらに、ドジャースの放映権を管理するAmerican Media Productions(AMP)にも、ウォルター氏らと関係する保険会社から巨額の資金が流れている。金融リサーチャーのニック・ネメス氏によれば、関連する5つの保険会社がAMPの債務14億9000万ドルを保有しているという。
そして、この問題が大きな意味を持つのがMLBの次期労使協定(CBA)交渉だ。現行CBAは12月1日に期限を迎える予定で、オーナー側は戦力均衡を理由にサラリーキャップ導入を強く求めている。
ドジャースはこれまで、MLBの「金持ち球団」の象徴として、サラリーキャップを求めるオーナー側の論拠に使われてきた。しかし今回、ウォルター氏の複雑な資金調達構造が注目されたことで、「ドジャースの強さはMLBの収益格差だけによって生まれたものなのか」という新たな疑問が生じている。
ウォルター氏は8月12日、NBAのロサンゼルス・レイカーズの支配権を125億ドルで売却することで合意。チェルシーFCの持ち分売却も検討していると報じられており、ドジャースについても売却の可能性が取り沙汰されている。ただし、球団側は売却を否定している。
ドジャースの経営に今後どこまで影響するかは不透明だが、今冬のCBA交渉を前に、MLBが掲げてきたサラリーキャップ論にも新たな火種が生まれた格好だ。

