ネパール国境で大規模土石流、359人死亡・1400人以上不明…不明の日本人5人は家族か
【カトマンズ=青木佐知子、上海=田村美穂】ネパールと中国の国境地帯で26日に起きた大規模な土石流で、ネパールの警察当局は27日、359人が死亡したと発表した。
ネパールと中国側の発表を総合すると、外国人観光客を含む1400人以上が行方不明という。在ネパール日本大使館によると、ツアーに参加していたとみられる日本人5人が安否不明の状態だ。
安否不明とされる日本人を送迎する予定だったネパールの首都カトマンズ近郊の旅行会社の経営者男性は27日、本紙に対し、5人は夫婦と子供3人の家族とみられると説明した。一家は中国を旅行後、ネパールに入り、中部ラスワ郡からカトマンズのホテルに向かう予定だったという。男性は「26日朝、当社の運転手から『一家が入国したと電話を受けた』と報告があった。その後は連絡がつかない」と語った。
茂木外相は27日、海外での緊急事態発生時に邦人保護にあたる専門家集団「海外緊急展開チーム」のネパールへの派遣を指示した。現地の日本大使館は現地対策本部を設置し、日本人の安否確認を進めている。
土石流が起きたラスワ郡のトリシュリ川沿いの村や中国チベット自治区南部では、甚大な被害が出ている模様だ。現地では、チベット自治区内の聖地への巡礼を目的とした多数のインド人やネパール人らが滞在していた。英BBCが報じた現地の動画では、土石流が橋や家を押し流し、人々が悲鳴を上げながら逃げる様子がとらえられていた。
ネパールの防災当局によると、ネパール側では900人超が行方不明という。中国当局によると、中国側では27日午前時点で3人が死亡し、外国人260人を含む計558人が行方不明となっている。
ロイター通信が報じた中国側の動画では、中国の国境検問所の建物や大型バスが一瞬にして土石流に押し流され、逃げ惑う人々が濁流にのみ込まれる様子が映し出されていた。中国中央テレビによると、国境検問所に続く道は寸断され、インターネット通信や電力が止まっている。
現地では27日も降雨の中、捜索活動が続いた。湖の水位が上がり、二次災害の発生が警戒されている。
土石流の詳細な原因は明らかになっていない。米地質調査所(USGS)は26日、衛星画像などの分析の結果、氷河の崩壊と土石流が確認され、下流で壊滅的な被害をもたらしたと発表した。USGSは当初、地震が発生したとしていたが、その後の調査結果から地震はなかったと判断したという。
