目玉おやじもビックリ!“妖怪パワー”で広島打線が一挙8点 “苦労人”佐藤啓介のプロ1号が着火点に
◇セ・リーグ 広島8―7DeNA(2026年8月25日 マツダスタジアム)
目玉おやじもビックリの逆転勝利だ。広島は25日、DeNA戦で0―6の5回、佐藤啓介内野手(25)のプロ初本塁打が着火点となり、打者13人を送る猛攻で一挙8得点。2020年7月26日同戦以来の6点差逆転勝ちでクライマックスシリーズ(CS)進出を争う3位・DeNAとの直接対決第1Rを取った。名作アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」とのコラボ3連戦。妖怪パワーで、一気に3タテを狙う。
苦労人に、打球を見て歩く余裕はない。右翼へ低い弾道を放った瞬間、佐藤啓は全力で一塁へ走り出した。「入った確信がなかったので、スピードに乗ってました」。6点を追う5回、先頭打者として代打で放ったプロ初本塁打。通算55試合、97打席目に訪れた歓喜だった。
背番号94の放った一撃が、明らかにスタジアムの空気を変える。打者13人の猛攻が始まったのは、その直後だ。坂倉、秋山の連続適時打に持丸が押し出し四球、勝田の適時打で1点差に迫り、1死満塁で再び佐藤啓に打席が回った。ボテボテの投ゴロの間に追いつき、続く大盛の適時内野安打で、ついに試合をひっくり返した。
「チームメートの皆さんがつないでくれて、最高の一日になりました」
カクテル光線を浴びたお立ち台で、緊張気味の笑顔が25歳に浮かんだ。2023年の育成ドラフト2位。チーム初の国立大出身となる静岡大を経て、広島の一員になった。支配下登録は24年6月。公式戦出場は24年が7試合、25年が5試合にとどまり、1軍の壁を破れない時期が続いた。
今季は初めて開幕1軍をつかみながら、2度の降格。ヒーローになったこの日も朝6時半にマツダスタジアムへ集合し、午前10時30分からのファーム・リーグ、阪神戦(由宇)に出場。試合が終わるととんぼ返りで広島に戻り、1軍のベンチに入った。
発展途上を自覚するから、一瞬をムダにしない。2軍戦で東出打撃コーチから投手の球速や回転数を忠実に再現できるマシン「アイピッチ」を打つように助言されると、さっそく試合前に実践。新井監督も「謙虚に頑張れるところが彼の魅力」と称えた。
「ゲゲゲの鬼太郎」とのコラボ3連戦。鬼太郎が始球式に登場し、さまざまな妖怪が姿を見せても、最も沸いたのは痛快な5回だった。6年ぶりの6点差大逆転勝利。このリードをひっくり返した広島なら、3位DeNAとの2・5差など、十分射程圏だ。 (堀田 和昭)

