FBS福岡放送

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シリーズ「飲酒運転ゼロへ」。福岡市東区の海の中道大橋で、幼いきょうだい3人の命が奪われた飲酒運転事故から、8月25日で20年です。3人の母、大沼かおりさんは、この20年をどんな思いで過ごしてきたか、カメラの前で率直に語りました。

■大沼かおりさん(8月24日)
「紘彬(ひろあき)、倫彬(ともあき)、紗彬(さあや)が亡くなっていった状況は、過酷で壮絶な光景でした。だから私が苦しい、悲しいなんて言うことに、私はこれまで罪悪感を抱いてきました。」

大沼かおりさん(49)はきょうも、“あの日の記憶”と向き合っていました。

およそ1年前から、自分のペースで講演活動を続けています。

■かおりさん(8月21日)
「一番は、どうして自分が生かされたのかなということをずっと問い続けて。この20年間、ずっと問い続けて、今なおっていう感じです。」

2006年8月25日、福岡市東区の海の中道大橋。

かおりさんたち家族5人が乗った車は、時速およそ100キロで走ってきた飲酒運転の車に追突され、14メートル下の海へと転落しました。

かおりさんは割れたフロントガラスから脱出し、懸命に3人の子どもたちを助けようとしました。しかし。

4歳の紘彬くん、3歳の倫彬くん、1歳の紗彬ちゃん。3人は帰らぬ人となりました。

■かおりさん
「事故に対しての向き合い方、気持ちというのは変わらないです。事故の状況、どんな状況だったかが脳裏から離れないので、それを変えることはできないし、これからもたぶん変わらないと思います。」

事故直後から報道陣の取材に応じ、飲酒運転の悪質さなどを訴えていた、かおりさん。

しかし、いわれのない中傷に心が耐えられなくなり、福岡を離れることに。12年余り、公の場に姿を見せることはありませんでした。

それでも、去年。

■かおりさん
「ドーン。一瞬のことです。後ろから一台の車が追突してきました。」

福岡に戻って、講演活動を始めました。

きっかけとなったのは。

■かおりさん
「あまり使いたくないのですが、 風化というものを感じるようになった。」

福岡県内の飲酒運転事故は、5年前に100件を下回って以降、下げ止まりの状態が続いています。

痛ましい記憶を風化させないためにも、亡くなった3人の子どもたちへの愛、そして悲しみを伝えていく。

かおりさんは家族への思いを原動力に、再び語り始めることを決意しました。

■かおりさん
「(亡くなった3人の子どもと)一日一日会えない日が増えていくのがすごく苦しかったのですが、たぶん年齢も積み重なって、今は一日一日会える日が近づいてるなと思うんですよね。私は命の尊さを、紘彬、倫彬、紗彬がこの地上に確かに生まれて本当に幸せに暮らしていたんだよということを伝えて、けれど3人は亡くなってしまったんだよということを伝えて、亡くなってしまった理由は飲酒運転なんだよ、この話を聞いてあなたはどう思いますかと投げかけることで、それを聞いた人が飲酒運転はいけないんだと思えるような働きかけをすることはできるのかなと思います。」

事故から20年となる8月25日、かおりさんは飲酒運転撲滅への誓いを新たにする県民大会に参加します。

■かおりさん
「(8月25日は)どういう日にしたいかというと、ひっそりとしたい日ではあります。今まで福岡を離れて生活をしていた時は、その日ちょっと人と話すのは避けたいなというか、その日ぐらいは平静を装うのをお休みしてもいいのかなって。毎年その日に、公の場で人前に立って話をするような日で、そんな気持ちで過ごせるかというと、本当はそうではないです。本当はそうではないけれど、でも福岡に帰ってきてそれを求められているのであれば、『お母さん少し頑張るね』っていう感じですかね。」

どれだけ時間がたっても。

母として、3人の愛する我が子が生きていた証しを伝え続けます。

※FBS福岡放送めんたいワイド2026年8月24日午後5時すぎ放送