日経平均の今週の予想レンジは6万4500円-6万8500円
今週は金利動向に影響を及ぼすイベントがカギ
先週の日経平均株価は週間で2,700円近く下落した。週初には良好な企業業績を背景に買いが優勢となり7万円目前まで上昇したものの、その後は世界的な長期金利上昇が嫌気され、一気に下値を探る展開となった。週末21日の日経平均はかろうじて6万6000円台で取引を終えた。この流れを見るに、今週の株式市場の展開も金利動向が大きなカギを握るのはほぼ間違いないだろう。その金利動向に影響を及ぼす重要イベントをまずおさえておきたい。
ジャクソンホールでのウォーシュFRB議長初の基調講演と日銀副総裁挨拶に注目
第一に、何と言っても世界の注目は27-29日に開催されるジャクソンホール会議だ。28日にはウォーシュFRB議長による初の基調講演が予定されていて、世界中の金融関係者の耳目を集める。ポイントはウォーシュ議長のインフレ抑制に対する姿勢だ。
次に、国内のイベントとしては27日に日銀の氷見野良三副総裁が埼玉県金融経済懇談会で挨拶する。9月17-18日に日銀の金融政策決定会合が予定されており、市場では追加利上げ時期を探る動きが続いている。氷見野副総裁が賃金・物価情勢や円安への警戒を強調すれば、早期利上げ観測が強まり、国内長期金利の上昇につながる可能性がある。ただし、海外経済や中東情勢の不透明感が増している状況なので、これらに配慮した慎重な発言となるのではないかと予想する。
AI・半導体株には26日のエヌビディア決算も重要イベント
金融政策以外の重要イベントが、26日(日本時間27日朝)に予定されるエヌビディア[NVDA]の決算である。市場では、次世代AI半導体「Rubin」の立ち上がりやAI投資需要が引き続き高水準を維持しているかが注目されている。足元では半導体株の調整がかなり進んだだけに、内容が市場予想を上回れば買い戻しが強まる可能性がある。
これらの重要イベントを踏まえて今週の相場を展望すると、週前半はエヌビディア決算とジャクソンホール会議をにらみながら6万5000-6万7000円台を中心としたレンジ内の動きにとどまるだろう。アップサイド・シナリオとしては、エヌビディア決算ポジティブ、ウォーシュ議長発言がマイルドとなって6万8000円台を試すといった展開か。
反対に、エヌビディアのガイダンスが期待を下回り、同時にFRBの追加利上げ観測まで強まる組み合わせがダウンサイド・シナリオである。この場合はAI・半導体株に再び売りが集中し、6万5000円割れの可能性がある。ただし、日本企業の業績そのものは総じて底堅く、前週の調整で短期的な過熱感もかなり解消された。ダウンサイドを探る動きになっても相場の下値を確認するいい機会だろう。
予想レンジは6万4500円-6万8500円とする。
広木 隆 マネックス証券 チーフ・ストラテジスト

