介護用ベッドレンタルの費用と条件|介護保険で借りる流れを解説
介護用ベッドのレンタルは、介護保険を活用すれば費用を抑えて利用でき、身体状況の変化に合わせて機能を見直せる点も魅力です。寝起きや立ち座りが楽になり、介護する方の負担軽減にもつながります。一方で、利用できる要介護度や自己負担額など、事前に押さえておきたい条件もあります。
本記事では介護用ベッドのレンタルについて、以下の点を中心に紹介します。
介護用ベッドをレンタルする際の基礎知識と対象となる条件
介護保険を利用した場合と自費の場合の費用の目安
申し込みからメンテナンスまでの利用の流れ
介護用ベッドのレンタルについて理解を深めるためにも、ぜひ最後までお読みください。
監修医師:
高山 哲朗(かなまち慈優クリニック)
理事長 高山 哲朗
平成14年慶應義塾大学卒業
慶應義塾大学病院、北里研究所病院、埼玉社会保険病院等を経て、
平成29年 かなまち慈優クリニック院長
【所属協会・資格】
医学博士
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本医師会認定産業医
東海大学医学部客員准教授
予測医学研究所所長
介護用ベッド|レンタルの基礎知識について

介護用ベッドはレンタルと購入のどちらがよいですか?
介護用ベッドは、身体状況の変化に合わせて機能を見直せるレンタルが選ばれやすい傾向にあります。
介護保険の福祉用具貸与を利用すれば毎月の負担を抑えられ、不要になった際は返却できるため、保管や処分の手間もかかりません。故障時の修理や定期的なメンテナンスを事業者に任せられる点も、レンタルの利点です。
一方で、長期間にわたり同じ機能で使い続ける見通しがある場合や、介護保険の対象外で自費レンタルが割高になる場合には、購入の方が適していることもあります。購入の場合は自身の所有物として自由に使えますが、処分や買い替えの負担は自身で担うことになります。
利用できる期間の見通しや目的、費用を比べて、ケアマネジャーとも相談しながら選ぶことが大切です。
介護用ベッドは介護保険を使ってレンタルできますか?
介護用ベッド(特殊寝台)は、介護保険の福祉用具貸与の対象品目に含まれており、要件を満たせば介護保険を利用してレンタルできます。福祉用具貸与は、要介護認定を受けた方が、ケアマネジャーの作成するケアプランに基づいて利用する仕組みで、自己負担は原則1~3割です。
対象となる品目には、介護用ベッドのほか、車椅子や手すり、歩行器などがあります。ただし、介護用ベッドは対象となる要介護度などの条件があり、誰でも利用できるわけではありません。
利用を希望する場合は、まず担当のケアマネジャーや、お住まいの地域の地域包括支援センターに相談し、認定状況や身体の状態をふまえて対象になるかを確認するとよいでしょう。
レンタルできる介護用ベッドにはどのような種類や機能がありますか?
介護用ベッドは、背上げや膝上げ、高さ調整といった動きをモーターで行うもので、モーターの数によって1モーター、2モーター、3モーターなどの種類があります。1モーターは背上げなどの動きが連動するタイプ、2モーターは主に背上げと高さ調整、3モーターは背や膝、高さをそれぞれ独立して調整できるなど、機能に違いがあります。
あわせて、サイドレール(柵)や介助バー、マットレス、テーブルなどの付属品を組み合わせて利用します。マットレスも、床ずれ予防に配慮したものなど種類があり、身体の状態に応じて選べます。
どの機能が必要かは、起き上がりや立ち上がりのしやすさ、介助のしやすさによって変わるため、福祉用具専門相談員と相談しながら選ぶとよいでしょう。
介護用ベッド|レンタルの対象条件について

介護用ベッドのレンタルは要介護度いくつから利用できますか?
介護保険で介護用ベッド(特殊寝台)をレンタルできるのは、原則として要介護2以上の方です。特殊寝台とその付属品は、要支援1・2および要介護1の軽度者は、原則として給付の対象外とされています。これは、軽度な方には必ずしも必要とされないと考えられているためです。
要介護度は、介護の必要量に応じて要支援1から要介護5までの段階に分かれており、利用できる福祉用具の範囲もこの区分によって異なります。そのため、同じ介護用ベッドでも、要介護度によっては介護保険の対象にならないことがあります。
自身が対象になるかどうかは、認定結果をふまえてケアマネジャーに確認するとよいでしょう。
要支援や要介護1でも介護用ベッドをレンタルする方法はありますか?
要支援1・2や要介護1の方でも、例外給付の要件を満たせば、介護保険で介護用ベッドをレンタルできる場合があります。
特殊寝台は、日常的に起き上がりが困難、または日常的に寝返りが困難な状態にある方が対象となります。この判断は、医師の意見(医学的な所見)に基づき、サービス担当者会議などの適切なケアマネジメントを経て、市町村が確認したうえで認められます。申請にあたっては、ケアマネジャーが必要な書類の準備や手続きを代行してくれるため、まずは状態を伝えて相談してみましょう。
例外給付の対象とならない場合でも、自費でのレンタルや購入する方法があり、費用や使い方を比べて検討するとよいでしょう。
介護用ベッド|レンタルの費用と自己負担について

介護保険で介護用ベッドをレンタルすると自己負担はいくらですか?
介護保険を利用した場合、レンタル料の1~3割が自己負担となります。負担割合は所得に応じて決まり、1割負担の方が中心です。
介護用ベッド本体のレンタル料は月額8,000~15,000円程度が目安で、1割負担であれば月あたりおよそ800~1,500円程度となります。機能が多いベッドほどレンタル料も高くなる傾向があります。ただし、サイドレールや介助バー、マットレスなどの付属品は、それぞれ別に料金がかかるため、組み合わせによって月々の負担は変わります。また、同じ製品でも事業者によって料金が異なることがあります。
実際にいくらになるかは、必要な付属品を含めた総額で、福祉用具貸与事業者やケアマネジャーに確認するとよいでしょう。
参照:『介護保険のサービス』(福岡市ホームページ)
介護保険を使わず自費でレンタルする場合の費用の目安を教えてください
介護保険を利用せず全額自費でレンタルする場合、介護用ベッドの費用は月額1万円~2万円程度が目安です。付属品を追加すると、その分の費用が上乗せされます。
要介護度の条件を満たさない場合や、介護認定を受けていない場合などは、自費レンタルが選択肢となりますが、介護保険を利用できる場合と比べて負担は大きくなります。料金体系や対象の製品は事業者によって異なり、短期間だけ借りられるプランを設けているところもあります。
契約前には、レンタル料に加えて、搬入と設置の費用、解約時の条件なども含めて確認しておくと安心です。複数の事業者を比較し、必要な機能や付属品を含めた総額で判断することが大切です。
介護用ベッド|レンタルの申し込みと利用の流れについて

介護用ベッドの申し込みの流れを教えてください
まず要介護認定を受け、担当のケアマネジャーに相談することから始まります。
ケアマネジャーが身体状況や生活環境をふまえてケアプランを作成し、介護用ベッドの必要性を検討します。必要と認められたら、福祉用具貸与事業者を選び、福祉用具専門相談員と相談しながら、ベッドの種類や付属品を決めて契約します。
実際に使う本人の状態に合わせて、機能やサイズを選ぶことが大切です。契約後は、事業者が自宅へ搬入と設置を行い、使い方や注意点の説明を受けて利用開始となります。利用開始後も、専門相談員による定期的なモニタリング(点検や調整)が行われ、身体の状態が変われば、ベッドの見直しや交換を相談することもできます。
レンタルした介護用ベッドの消毒やメンテナンス、故障時の対応はどうなりますか?
レンタルの介護用ベッドは、貸与事業者が回収時に消毒や洗浄を行ったうえで次の利用者に提供しており、衛生面が管理されています。
利用中も、福祉用具専門相談員が定期的に点検や調整を行い、安全に使える状態かを確認します。故障や不具合が生じた場合は、事業者に連絡すれば、修理や部品の交換、代替品の手配などの対応を受けられます。こうしたメンテナンスにかかる費用は、基本的にレンタル料に含まれており、追加の負担なく事業者に任せられる点はレンタルの大きなメリットです。
対応してもらえる範囲や、故障時の連絡先や受付時間などは、契約時にあらかじめ確認しておくと、いざというときに安心です。
編集部まとめ

ここまで介護用ベッドのレンタルについてお伝えしてきました。要点をまとめると以下のとおりです。
介護用ベッド(特殊寝台)は介護保険の福祉用具貸与の対象で、原則要介護2以上が利用でき、軽度者も例外給付で認められる場合がある
介護保険利用時の自己負担はレンタル料の1~3割で、本体は1割負担なら月800~1,500円程度、自費では月1~2万円程度が目安となる
申し込みはケアマネジャーへの相談から始まり、搬入後も専門相談員による点検や故障対応などのメンテナンスを受けられる
介護用ベッドは、身体状況や介助のしやすさに合わせて選ぶことで、無理のない在宅での暮らしを支える大切な用具です。利用を検討する際は、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員に相談しながら進めるとよいでしょう。
これらの情報が、皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考文献
どんなサービスがあるの? - 福祉用具貸与|厚生労働省
要支援・要介護1の者に対する福祉用具貸与について|厚生労働省
福祉用具・住宅改修|厚生労働省

