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 ◇第108回全国高校野球選手権第14日 準決勝 横浜1―7智弁和歌山(2026年8月20日 甲子園)

 史上最大の「日米争奪戦」が始まる。横浜の最速157キロ右腕・織田翔希投手(3年)は20日、智弁和歌山との準決勝に先発も、2回1/3を8安打4失点で降板し、1―7で敗退した。今大会で球場表示で春夏甲子園大会史上最速の156キロをマークした逸材は、今秋のNPBドラフトで1位指名濃厚だが、MLB球団は「史上最高額」のオファーで獲得を狙う。

 「令和の大怪物」織田の涙が止まらない。完封した準々決勝から中1日での先発で、2回1/3を4失点。直球が走らず、3回には5月の関東大会準々決勝以来で甲子園初被弾となる3ランを浴びた。降板後もベンチで声を張ったが、試合終了と同時に思いがあふれた。

 「負けた瞬間は応援してくれている仲間の顔が浮かんで、申し訳ないという気持ちが大きかった。(甲子園は)凄く成長させられた場所だと思います」

 夏の甲子園で高校No・1投手から「令和の大怪物」に進化した。日南学園(宮崎)との2回戦で甲子園大会で場内表示最速の156キロを投げ、準々決勝では156キロを7度計測。98年に春夏連覇に導いた「平成の怪物」松坂大輔氏(スポニチ本紙評論家)も「自分よりスケールが大きい」と称賛した。98年以来の夏日本一に届かずも「松坂さんがいてくださったおかげで凄く頑張れた」と先輩に感謝した。

 進路には「今は何も考えられないです」と慎重に口を閉ざし、村田浩明監督は「アメリカも日本も視野に入れて、しっかり考えたい」と説明した。プロ志望届を提出後にヤンキースなどメジャー球団、NPBの双方と面談する方針。この日はドジャース、レンジャーズなど米5球団以上が視察した。あるスカウトは「高い出力で連投できる点で高校時代の佐々木朗希より上」と評価。高卒メジャーにかじを切れば「契約金は200万ドル(約3億1600万円)から250万ドル(約4億円)を用意する球団もある」と見立てた。NPBの契約金上限は1億円プラス出来高。25年に契約金150万ドル(当時約2億3700万円)でアスレチックス入りした森井翔太郎(桐朋)や、08年に同180万ドル(当時約1億6600万円)でレッドソックス入りした田沢純一(新日本石油ENEOS)らを上回る、日本アマチュア球界の「史上最高契約金」で海を渡る可能性がある。

 9月7日開幕のアジア選手権でのU18高校日本代表の選出は確実で「野球人生が終わるわけではないので成長した姿を見せられるように頑張りたい」。一つの挑戦の終幕は、日米争奪戦という新たな戦いのゴングとなる。

 ◇織田 翔希(おだ・しょうき)2008年(平20)6月3日生まれ、北九州市出身の18歳。足立小1年から足立クラブで野球を始め、足立中では軟式野球部。横浜では2年春から4季連続甲子園出場。1メートル86、81キロ。右投げ右打ち。

 ≪毎年1・15〜12・15契約可能 新労使協定交渉の長期化も≫大リーグでは25歳未満の海外若手選手との契約は、年間で対象全選手との契約金に使える総額が「インターナショナル・ボーナスプール」として球団ごとに制限される。総額500万〜700万ドル(約8億〜11億1000万円)規模で、ボーナスプールの枠はトレードで追加や譲渡もできる。契約可能な期間は毎年1月15日から12月15日まで。ただし、大リーグは現行の労使協定が今年12月1日で失効する。新協定の労使交渉は難航が予想され、長期化の恐れも指摘される。新協定では海外若手選手との契約ルール自体が変わる可能性もある。