トー横界隈の若者狙い東南アジア詐欺拠点に送り込む…暴力団リクルーターの脅し文句
「海外で稼げるよ。1週間で500万円稼いでいる子もいるよ。明日にでも行こう」
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暴力団組員は新宿・歌舞伎町の「トー横」に出入りする若者をそそのかし、次々、東南アジアの特殊詐欺グループの拠点に送り込んでいた。
「かけ子」をさせるため、当時19歳の女性をマレーシアに送ったとして、警視庁特別捜査課は15日、暴力団住吉会系組員、山尾輝斗容疑者(26)を所在国外移送誘拐などの疑いで再逮捕した。
昨年10月、被害女性がトー横で知り合った男に仕事の相談をしたところ、「海外の仕事を紹介してくれる人物がいる」と言われ、墨田区で山尾容疑者と会った。女性はそのまま荒川区のホテルに「拉致」され、詳しい仕事内容は知らされずに宿泊。翌日、用意された航空券を使って羽田空港からマレーシア行きの航空機に搭乗させられた。クアラルンプールを経由してカンボジアに入国し、北西部のポイペトなど国内3カ所と、マレーシア・ジョホールバルの拠点で、ニセ警察官詐欺の「電話役」をさせられた。
約9カ月後の今年7月、女性は詐欺組織のメンバーに「コンビニへ買い物に行く」とウソをついてアジトから逃げ出し、現地の日本大使館に駆け込んで助けを求めた。女性が監禁されていた拠点には、トー横で見たことがある女性が複数人いたという。女性は報酬を受け取っておらず、すべて山尾容疑者に送金されていた。
■儲け話を持ち掛けて拉致
山尾容疑者はトー横一帯と大久保公園に集まる日本人を狙い、東南アジアの詐欺拠点に送り込んでいた。
「ホストクラブにツケがあり返済のために立ちんぼをしている女性を『おまえは海外に行ってもらうことになる』『350万円立て替えてやってんだから海外で働け』『シンガポールに行って内臓を売れ』と脅し、ホテルやネットカフェで監禁。逃げられないように見張りを付けて、位置情報が分かるGPS付きのスマホを持たせていた。同じ手口で複数の女性が東南アジアに連れ去られ、いまだに行方が分かっていない」(捜査事情通)
山尾容疑者は今年5月、20代女性を海外へ移送する目的で誘拐したとして逮捕され、今回が5回目の逮捕。
昨年6月には、山尾容疑者の仲間が知人女性から「売春を巡って男とトラブルになった」と連絡を受けた際、山尾容疑者に相談。仲間は相手男性(52)の顔面を平手打ちするなどの暴行を加え、「マグロ漁船に乗るか、カニ漁船に乗るか、ここでオレらに殺されるか選べ」と迫った。その後、山尾容疑者が電話で仲間に指示し、男性に海外で働く誓約書と500万円の借用書を書かせた。
翌7月には山尾容疑者自身が知人男性(44)に「韓国かカンボジアでセキュリティーの仕事がある」「3カ月で1000万円稼げる」とウソの仕事話を持ち掛け、「渡航の準備目的」で男性を9日間誘拐した。
「山尾は知り合った男女をかけ子要員として海外拠点に送り込むため、本人の本籍地まで一緒に出向き、パスポートを取得させていた。現地の詐欺グループのメンバーが取得したばかりのパスポートを取り上げ、逃げ出さないようにしていた」(前出の捜査事情通)
トー横界隈でうかつに怪しい男の口車に乗ったら、海外の特殊詐欺組織に売り飛ばされる。
