こうした状況のなか、出店に勢いがあるのが資さんうどん。すかいらーくの買収時は74店舗でしたが、2026年6月末には110店舗まで拡大しました。

すかいらーくは主力の「ガスト」が中価格帯へとシフトしつつあります。そうなると、従来のような集客力が失われ、必然的に低価格路線の資さんうどんへの転換が必要になるのです。

ガストは2026年6月までで15店舗の業態転換を実施、13店舗を閉鎖しました。一方、資さんうどんは2027年以降も50店舗以上を出店、出店エリアも全国に拡大するという強気の計画を立てています。すかいらーくはブランドポートフォリオの再構築を急いでいるのです。

資さんうどんの強みは価格以外にもあります。利用シーンの広さです。一部の店舗ではおでんなどの料理や、ビール・日本酒などのアルコール類も提供しています。

◆「4玉まで同一価格」ではあるが…

物語コーポレーションも仕掛けてきました。「肉讃岐 もっちりうどん源次郎」を今年5月にオープンしたのです。もっちりうどんは、4玉まで同一価格で提供。そして、肉の美味さを前面に打ち出しています。

「かけうどん」は税込649円ですが、「国産牛煮込の肉讃岐うどん」は979円。4玉まで同一価格でお得感を出しているものの、単価そのものは高い傾向にあります。つまり、丸亀製麺や資さんうどん、「はなまるうどん」などとは別のポジションをとりに行っているのです。肉とボリュームがセールスポイントになっていることから、比較的若い層を狙っているのでしょう。

◆はなまるうどんが高価格帯参入戦略

肉を軸に新たな動きを見せたのが、はなまるうどんです。2025年8月に新コンセプト店「はなまるうどん肉店」をオープンしました。山盛りの肉にインパクトがある新メニューを打ち出しています。同タイプの店は2026年5月に赤坂にも出店しており、都市部での展開を視野に入れているように見えます。

はなまるうどんは一時苦戦する様子を見せていたものの、2026年2月期は6.9%の増収、21.0%の増益と絶好調でした。2026年3月~5月も10.4%の増収、19.8%の増益と稼ぐ力は衰えていません。

出店する勢いを取り戻したなかで、新業態による多様化を持たせた点は興味深いと言えるでしょう。消費動向は二極化しており、気に入ったものには惜しみなくお金を払う人もいるからです。消費動向をカバーした動きと見ることができます。

<TEXT/不破聡>

【不破聡】
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界