「夜職系インフルエンサーを高級車で殺害」凶悪ギャング「Bad Boys7(BB7)」の正体と、有名ラッパーに囁かれる“裏の関係”【ニューヨーク】
「ニューヨーク市やその周辺地域を夜な夜な恐怖に陥れていた」──連邦検事がそういうほどに、ストリートギャング「BB7」は凶悪なチームだった。
【実際の写真】NYの凶悪ギャング「BB7」の集合写真、銃殺事件の様子、被害者のインフルエンサー
米司法省・ニューヨーク南部地区連邦検察局は7月20日、ストリートギャング「トリニタリオス」の一派「Bad Boys7(BB7)」のメンバーら関係者11人を5件の殺人やカージャックなどを含む15の罪で起訴したと発表した。その犯罪の全容が公表され、全米が震撼している。
「司法省の公表資料によると、トリニタリオスは1980年代後半にニューヨークの刑務所で、ドミニカ系受刑者らが自衛を目的に結成したといいます。その後、ストリートに出て勢力を伸ばし、今回のような凶悪事件を数多く起こしていた。BB7はその中でも過激な一派ということです」(大手紙社会部記者)
彼らは命を奪うことも厭わない。目的はカネだ。
今回の訴追で5件の殺人事件が含まれていたが、発生当時に特に話題になったのが、インスタグラムで50万人以上のフォロワーがいたドミニカ系インフルエンサーのアリエラ・メヒア・ボランコさん(33)だ。彼女は昨年8月、BB7によって銃殺された。
「彼女はDJのいるナイトクラブ兼ラウンジのような店で働いていて、ニューヨークのラテン系ナイトライフでは有名な存在でした。インスタグラムにはスタイルを強調したモデルのような写真や、高級車やジュエリーなど、優雅な日常生活の様子を投稿していました」
昨年8月、仕事を終えたアリエラさんは愛車であるメルセデス・ベンツの黒いゲレンデ(約3000万円)を運転して帰宅していた。そして高速道路を走行中にBB7のギャングらに襲われ、車内で射殺された。
「ゲレンデは高速出口付近の路肩に停車しており、警察官が駆けつけるとアリエラさんは複数の銃弾を受けて死亡していました。ギャングらはカージャックしてそのまま高級車を奪う予定だったと見られていますが、結局、遺体をそのままに逃走しました。
BB7が街で偶然アリエラさんを発見したのか、それともインスタ投稿などから煌びやかな生活を送っていると知って狙ったのかはまだ判明していません。彼らの同郷の人間ですらターゲットになっており、その残虐性が際立っています」
アリエラさんの存在を米国中に知らしめたきっかけとなったのが、ラッパーのTekashi 6ix9ine(テカシ・シックスナイン)だ。
「顔面に69というタトゥーを彫っている著名ラッパーです。髪をレインボーに染めたり、SNSで挑発的な投稿をしたりして多くのトラブルを抱えています。インスタのフォロワーは約2400万人。アリエラさんは彼のミュージックビデオ(MV)に出演をしていた。
アリエラさんが殺害されたことを知り、テカシは追悼メッセージをSNSに投稿。それが瞬く間に拡散しました」
テカシ・シックスナインは、かつてギャングとの間に大きなトラブルを抱えていたことで有名だった。
「ラッパーとしてギャングとの関係をイメージ作りに利用するケースはありますが、彼は軽く一線を超えていた。MVにギャングを出演させたりしていましたから。彼は自ら稼いだ金の一部をギャングに資金提供していたとも見られています。それだけにとどまらず、敵対するラッパーを殺害させようとしたり、さまざまな犯罪行為にも関与していた。
しかしギャングとの関係は次第に悪化し、2018年にはシックスナイン自身が拉致される事件が発生。同年、ある犯罪に関与したとして当局に逮捕されると、その翌日には当局の司法取引に応じて、"仲間"だったギャングを売って大幅に減刑されました」
米国のギャングやヒップホップ文化では、仲間を売る行為を「密告者」として激しく非難する。そんな逆風もありながら、シックスナインは今も活動を続けていた。事件発生当時には、アリエラさんが殺害されたのも彼の過去が原因なのではないか、といった意見も散見されたが、今回の司法省の発表ではそのような事実は明らかにはならなかった。
ニューヨーク近郊を恐怖に陥れたBB7。米国のギャング文化は衰退していないようだ。
