【休日クラシック・ポルシェ・アーカイブ #33】1982年ポルシェ911SCカブリオレ「356Cカブリオレ以来、18年ぶりのフルオープンモデル」
1982年ポルシェ911SCカブリオレ
1970年代後半のポルシェは、水冷エンジンをフロントに積む新たなモデルである928を主に展開する予定だった。
【画像】クラシック・ポルシェ・アーカイブ #32 1982年ポルシェ911SCカブリオレ編 全2枚
しかし、発売するとマーケットでは受け入れられず、販売不振に終わる。空冷水平対向エンジンを備える911が持つカリスマ性を、十分に引き継ぐことはできなかったのである。

1981年のフランクフルト・ショーで披露された911SCカブリオレ・スタディ。 ポルシェ
ポルシェ社の新たな会長に就任したピーター・シュッツ氏は、911を主となるモデルとして展開することとし、開発のための資金投入を決める。これにより改良された911SCは、マーケットから好評を持って受け入れられた。
911の魅力を高めるための次なる策として計画されたのが、911SCカブリオレである。かつて356の時代は、スピードスターやカブリオレのオープンモデルが高い人気を得ていただけに、ポルシェとしては欠かせない存在といえた。
しかしアメリカのヒステリックな安全規定のため、ポルシェはフルオープンモデルを911のラインナップに加えることができないでいた。その代替として、トップとリアウインドウを外せるタルガを投入したが、オープンモデルの解放感にはかなわなかった。
やがて安全対策を技術的にクリアできるようになり、世界的に各メーカーからフルオープンモデルが送り出されるようになってきた。
18年ぶりに復活したオープンモデル
ポルシェは1981年9月にフランクフルト・ショーで、911カブリオレのコンセプト・スタディを発表する。その翌年の1982年10月に1983年モデルとして生産を開始。ポルシェにとって356Cカブリオレ以来となる18年ぶりのフルオープンモデルとなった。
ソフトトップはリアシート後方に格納される構造とされ、フロントからリアにかけて途切れることのない911の美しいボディラインが実現された。

ポルシェ911SCカブリオレ量産型 ポルシェ
トップの昇降は手動式だったが、よく考えられた構造のため容易に開閉できた。
カブリオレの要であるソフトトップのフレームとなるスティール製パネル・エレメントは、高速走行時の剛性を確保していた。ルーフを閉じた際には、強固なロールオーバー・プロテクションを機能する構造とされた。ソフトトップはトリプルレイヤーとされ、耐候性も高められていた。
また、フルオープン化に伴い、911のフロアセクションは広範囲にわたる補強が施され、オープンモデルながら全体的な剛性を維持していた。
発売されると全世界から好評をもって受け入れられ、たちまち人気モデルとなった。
ただ、ベースとなる911SCが1984年モデルから3.2リッターに拡大された911カレラ 3.2に切り替わったことにより、わずか1年だけの生産となった。
しかし1984年モデルからの911カレラ 3.2にカブリオレが受け継がれ、より充実した内容になって生産が続けられた。
●空冷水平対向6気筒 ●2994cc ●180-204hp ●225km/h
(当連載は、基本的に日曜日の午前9時11分に公開しています)

