蓼科大滝

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真夏を思わせる日々に、涼やかな場所を訪れたい。清らかな流れに癒されたい……そんな風に願う人も多いはず。今年の夏は東京から抜け出して、涼なる流れに出合う旅でひと休みはいかが?今回は、長野県の蓼科・八千穂高原。ゆっくりと溶けだした雪は山の地層を通過し、ミネラルを含んだおいしい水になる。涼しくて気持ちのいい清流を巡った。

蓼科/小路の先で出会う清く涼なる流れ

ドキドキが止まらない。森の別荘地帯から川沿いの遊歩道に入ったとたん、曲がりくねった巨木と、モコモコと波打つ緑の苔。その向こうには、リスの親子や鹿の一家が警戒しつつもお出迎え。

八ヶ岳中腹の蓼科湖からほど近いビーナスライン沿いの「プール平」から歩いて数分で、なんともワイルドな原生林が出現した。

上流に向かうにつれゴウゴウと唸りを上げる川の音が大きくなる。突然、道が開けて大きな滝がドドン! これが噂に聞く蓼科大滝か。何段にも渡る滝が白い飛沫を飛び散らせ、青い滝壺を潤している。

蓼科大滝

「隠し湯」で知られた温泉好きの武田信玄公も、この冷たい滝に打たれて戦略を練っていたそう。いったいどんな閃きがあったのか。

観光客は少なく東屋でしばしのんびり。信玄公にあやかりつつ、マイナスイオンを体いっぱいに浴びれば、数々の煩悩が飛び去って行く(気がする)。

この滝の先には、太宰治も新婚旅行で訪れた蓼科親湯温泉がある。大自然に囲まれながらも部屋で酒ばかり飲んで新妻を呆れさせたという逸話も彼らしい。

涼しい滝と熱いお湯をどちらも楽しめる蓼科の旅はいかがだろうか。

蓼科大滝

[住所]長野県茅野市北山4062

[公共交通機関]茅野駅よりバスで約35分、プール平バス停下車、徒歩10分

[車]蓼科大滝(プール平)無料駐車場より徒歩10分

▶周辺には……

「小津の散歩道」と「棒道」

「プール平」からは、この地を愛した映画監督の小津安二郎の散歩道や、武田信玄公の軍略上の「棒道」も遊歩道として整備されている。

「小津の散歩道」と「棒道」

蓼科湖

農業用温水のため池として誕生した人造湖。標高1250mほどだが真夏でも平均気温が25度と涼しい。湖周辺にはテラスのあるカフェや地ビール工房も。八ヶ岳が一望できる。

蓼科湖

[住所]長野県茅野市北山

[交通]JR中央本線茅野駅よりバスで約30分、蓼科湖前バス停下車

創業大正十五年 蓼科 親湯温泉

伊藤佐干夫など多くの文人に愛された宿。3万冊の蔵書を誇り、中でも5千冊の「岩波文庫の回廊」は圧巻。武田信玄の隠し湯でもある自家源泉の露天風呂が気持ちいい。

『創業大正十五年 蓼科 親湯温泉』

[住所]長野県茅野市北山蓼科高原4035

[電話]0266-67-2020

[交通]JR中央本線茅野駅より送迎バス約30分

都内から蓼科湖方面までのアクセス

[公共交通機関]JR新宿より特急「あずさ」で茅野駅下車(約2時間10分)、JR中央本線茅野駅よりアルピコ交通・北八ヶ岳ロープウェイ線のバスで約30分

[車]中央自動車道の諏訪ICよりビーナスライン経由で約30分

八千穂高原/日々の疲れを流す麓の力強き水

苔むした岩の間を流れるもみじの滝。秋の紅葉も美しいけれど、新緑と苔と滝色の“オール緑”で迎える初夏の滝は、疲れた心と体を休めてくれる。梅雨の晴れ間にさあ行こう。

スニーカーで巡る 変化に富んだ大自然

一度はドライブしたいメルヘン街道。この道沿いに美しい森と渓流がコンパクトに収まった自然園があるのをご存じだろうか。

白樺やミズナラの自然林の小道を抜ければ青々とした「もみじの滝」が音を立てて流れている。

八千穂高原自然園

整備されているため、スニーカーでも奥深い山に分け入った気分になれるのがうれしい。

7月には紅紫色のヤナギランが咲き始め、少し先の9月末にはイワナの滝登りも見られるとか。清流に泳ぐ小さな魚たちにきっと元気をもらえるはずだ。

八千穂高原自然園

標高1600mの八千穂高原にある自然園。体力に合わせた30〜80分の3つの散策コースが。

[住所]長野県南佐久郡佐久穂町大字八郡2049-183

[電話]0267-88-2567

[営業時間]8時半〜17時(最終入場16時)

[休日]冬季休業

[料金]大人300円

[公共交通機関]JR小海線八千穂駅から千曲バス白駒線「麦草峠行き」で約40分(特定日のみ運行)。

[車]中部横断自動車道八千穂高原ICから約20分、蓼科湖からも国道299号(メルヘン街道)を通り約45分

▶周辺には……

森の中のごはん処「ロッヂ八ケ嶺」

自然園隣接のメルヘンなロッヂ。併設のカフェには湧水のコーヒーや清流で育ったヤマメの唐揚げ丼も。

森の中のごはん処「ロッヂ八ケ嶺」

[住所]9時半(食事は11時)〜16時半(15時LO)

[電話]0267-88-2567

[交通]八千穂高原自然園の隣

撮影・文/白石あづさ

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

※画像ギャラリーでは、旅の途中に立ち寄りたい、素敵な宿やカフェの画像をご覧いただけます。

※月刊情報誌『おとなの週末』2026年7月号発売時点の情報です。

【画像】太宰治が新婚旅行が訪れた温泉(9枚)