県の新たな「地域医療構想」協議スタート 山口・防府医療圏「急性期拠点1か所」の案に現場から不安の声も
高齢化や人口減少がさらに進む2040年の医療を見据えた議論です。
県の新たな地域医療構想の策定に向けた協議が、今月(8月)から県内8つの医療圏で始まりました。
現場からは新たな構想に対する不安の声も上がっています。
このうち山口・防府医療圏の調整会議がきのう(10日)、山口市で開かれました。
現在の県地域医療構想は2016年に策定され、2025年に必要な病床数を1万5889床と定めています。
県は会議の中で、2040年に必要な病床数などを示す新たな地域医療構想を、2028年度末までに策定する方針を説明しました。
国のガイドラインを踏まえ、まず、手術や救急医療を担う「急性期拠点機能」病院を構想区域ごとに1か所決定し、それを核として医療機関の連携や役割分担を進める想定です。
ただ医療機関からは、急性期拠点機能病院を1つに絞ってしまうことへの懸念の声も上がりました。
山口・防府医療圏では現在、県立総合医療センター、山口赤十字病院、済生会山口総合病院の3つの病院が高度急性期医療を担っています。
(山口赤十字病院 末兼浩史院長)
「それぞれ得意な分野を生かしてなんとか共存、生き残る道を探している。急性期拠点を1つにと書いてあるが、我々は希望の無さを感じる。失望してしまう」
(済生会山口総合病院 郷良秀典院長)
「済生会や日赤が高度急性期医療をやってきたことを踏まえ、病院のそれぞれの強みを生かした構想が必要なのでは」
県の担当者は「国のガイドラインとの整合性を図りつつも、地域の実情を考慮しながら構想を策定していく」と述べました。
一方で医療機関を取り巻く環境は、物価高や医師・看護師不足などにより厳しさが増しています。
これまでに開かれた調整会議では、医療機関が効率化に向けた今年度中の病床削減を相次いで報告していて、柳井医療圏では合わせて141床、宇部・小野田医療圏では107床に上っています。
