【全文公開】森喜朗・元首相 痩せ細った姿で車椅子にのせられて…「清和会のドン」の侘しき誕生日会

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身内だけで開いた誕生会

都心に厳しい暑さが到来した7月14日、銀座のステーキハウス『ひらやま』で、ある会がひっそりと開催されていた。森喜朗元首相(89)の誕生日会である。

『ひらやま』はディナーが一人5万円ほどの超高級店。過去には故・安倍晋三元首相(享年67)や菅義偉元首相(77)ら大物政治家が足しげく通い、政局を読み、政策や党略を練るなど密談を重ねた名店だ。

夕方5時、主賓の森氏が白い高級車で到着。お付きの男性に車椅子を押されながら店内へと入っていった。派閥の領袖として権勢を誇った頃の堂々たる体躯はなく、別人のように痩せ細っている。

シェフの歓迎を受けると、表情は心なしか少しほころんだように見えた。かつて政敵を睨みつけた眼光も、まるで好々爺のように柔らかくなっている。

「この日は、ご夫人や娘さんなど、家族だけの誕生日会でした。政治家は誰も参加していないそうです。森さんは、かつては名物のステーキを好んで食べていましたが、最近はスープと、ハンバーグを少し口にする程度。今回は食事より、ご家族との団欒を楽しんだようです。

森さんは今、入居金が約6000万円と言われる高級老人ホームと病院を往復する日々を送っています。そんな中、知人を通じて店から招待され、会を開く運びとなったそうです」(自民党関係者)

夜8時頃、店を出た森氏は、誕生日プレゼントだろうか、ブーケを渡されて満足げな表情でホームへと帰っていった。

旧清和会で分裂騒動

長老が去った自民党は、いまだ混迷の中にある。’24〜’25年に派閥パーティー券を巡る裏金問題を受けて、ほぼ全ての派閥は解散となった。

しかし、高市早苗首相(65)は唯一残された麻生派(志公会)を頼って総裁選に勝利。2月の衆院選では多くの裏金議員たちが復活当選を果たした。裏金問題の温床となった「派閥」という自らの宿痾(しゅくあ)と決別しきれずにいるのだ。

そんな中で良くも悪くも話題を振りまいているのが、森氏がドンとして君臨した旧清和会の出身者たちだ。

「7月に、それぞれ別の主催者が安倍元首相の『偲ぶ会』を開いたことが波紋を広げています。8日の会は西村明宏元環境相(66)が幹事を務め、60人ほどが集まった。

これをよく思わなかったのが萩生田光一幹事長代行(62)と西村康稔選対委員長(63)。8日の『偲ぶ会』に参加しないよう議員に迫り、15日には別の会を開きました。すでに旧派閥内での囲い込みも始まっており、分裂騒動が起きているのです」(全国紙政治部記者)

ジャーナリストの鈴木哲夫氏はこの内輪揉めについて、「″ドン″だった森氏の威光が消えた証左だ」と見ている。

「森氏は’23年冬に老人ホームに入居して以降も、派閥内外への影響力を維持し続けていました。派閥パー券にまつわる裏金問題が火を吹いた際も、5人衆では解決策がまとまらないと見るや、自ら各所に働きかけて騒動の収拾を図ったと言われています。

しかし、近年は年齢、そして健康問題からその影響力も衰えた。世代交代が進み、次の″ドン″になるべく議員たちが動き出しているのも、その影響でしょう」

車椅子を押されて銀座を去る森氏の小さな背中は、一つの時代の終わりを表しているかのようだった。

『FRIDAY』2026年8月7・14日合併号より