米スペースXのロケット残骸、月面に時速8700キロで激突し巨大クレーター形成か…専門家「宇宙ごみ処分に無頓着」
【ワシントン=中根圭一】米スペースXが打ち上げたロケット「ファルコン9」の残骸が5日、月面に衝突した。
南米チリで望遠鏡を運用する欧州南天天文台の観測チームが発表した。ロケットの残骸が意図せずに月面に衝突したのは、2022年に中国のロケットの残骸が衝突して以来、2回目という。
スペースXのロケットは25年1月、日本の宇宙新興企業アイスペースの月着陸船などを載せ、米国から打ち上げられた。残骸は長さ約12メートル、重さ約4トンのロケット上段で、打ち上げ後も地球の周りを漂い続けていた。
チームは日本時間5日午後3時35分頃、月面で5〜10分間、粉じんが噴出したことを望遠鏡で観測。粉じんには月面の砂由来のナトリウムと、ロケットの機体由来のリチウムが含まれていることも突き止めた。
残骸は時速約8700キロで激突したとみられ、巨大なクレーターができた可能性もある。米航空宇宙局(NASA)は月周回探査機での撮影を試みる。
NASAは32年までの月面基地建設を計画するが、宇宙ごみの月面衝突が課題として浮上しそうだ。米国の天文研究者ビル・グレイ氏は「宇宙ごみの処分方法に無頓着であることを示す出来事だ」と指摘した。

