【高田馬場・路上刺殺事件】「痛い、やめて…」法廷で公開された“生々しい音声”…懲役16年判決までに明らかになった“犯行の一部始終”
◆借金を重ねても応じ続けた金銭要求…
その親密な関係を表すように、佐藤さんは配信休止中も自身が勤務していた山形県内のキャバクラに高野被告を誘い、計4回にわたって飲食などをともにしていた。その関係性について高野被告は、自身を「リスナーの中でも特別な存在だろうと思っていた」と振り返っている。そんな二人の関係が歪みはじめたきっかけが、佐藤さんからの金銭の無心だった。
<申し訳ないんだけどさ、昨日日雇いバイト行った先に財布忘れちゃってまじ手持ちない状態だからちょいお金貸してほしいんよね。明日か明後日取りにいくときに返すから(土下座の絵文字)>(裁判証拠から)
その後も「高額のお酒の代金を支払うことになった」、「姉の売り掛け金の支払いを請求された。払えなければデリヘルさせられる」など、その真偽は不明だが、佐藤さんは度々助けを求めてきたという。
その度に貯金を切り崩したり、消費者金融から借金したりして、佐藤さんに送金。結局のところ、佐藤さんから3万円が返済されたのみで、未払い額は約251万円にものぼった。
◆民事裁判でも回収できず…追い詰められた生活の実態
その後、高野被告は佐藤さんに対して貸金返還請求の民事裁判を提起。強制執行をしたものの、佐藤さんの財産状況から回収できなかった。
当時、高野被告は医師から「統合失調症も疑われる」と診断され、無職で貯金を切り崩して生活。その後は父親と喧嘩したことで一人暮らしになり、当面の生活を稼ごうと就労支援事業所で勤務していたが困窮をきわめた。当時の食生活を回想した。
「夕食はごはんと味噌汁だけでした。贅沢は月に1回の通院のときにマクドナルドでハンバーガーを食べる楽しみだけでした」(被告人質問から・以下同)
◆復讐心が犯行へ変わっていくまで
佐藤さんが欺く意思があったのかはわからない。高野被告は「佐藤さんに騙されているかもしれない」と気づくと、報復感情よりもこう思ったという。
「許せないもあったと思いますが、それよりも騙されて悲しいとか、この先不安だとか、悲しみしか自分で考えられませんでした」
高野被告によると、当初は自殺して遺書で金銭トラブルを告白したり、暴露系YouTuberに相談しようとしていたという。遺書も作成済みで、具体的に「首吊りとかナイフでお腹を刺して死んでしまおうと考えた」と企てていたようである。
