東京ディズニーリゾート(公式サイトより)

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 物価高でレジャー費を見直す家庭が増えるなか、国内二大テーマパークが対照的な戦略を打ち出している。

【写真】「半額でお得に入園!?」対象となる年間パスポートの価格

ディズニーは値上げ、USJは特典拡充

 東京ディズニーリゾート(TDR)は、10月1日入園分から1dayパスポートを3年ぶりに値上げ。最高価格はこれまでの1万900円から1万2400円へ、1500円引き上げられる。

 一方、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は年間パスポートの特典を拡充し、リピーター向けのサービスを強化。物価高で「少しでもお得に楽しみたい」というニーズが高まるなか、両者の異なる戦略に注目が集まっている。

 TDRでは近年、段階的な価格改定が続いている。

 今回のチケット値上げに加え、今年6月16日には駐車場料金も改定。普通乗用車は3000円から4000円、大型車は5000円から6000円へ、それぞれ1000円引き上げられた。車で来園するファミリー層にとっては、チケット代だけでなく交通費の負担も重くなっている。

 開園当初と比べると、1dayパスポートの価格は約3倍まで上昇。度重なる値上げを受け、SNSでは、

《また値上げ…その分楽しさ3倍になってる?》
《入るだけでこの値段か》
《家族4人で行くとかなりの出費》

 など、価格負担を気にする声が上がっている。

 一方で、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて販売を終了した年間パスポートは現在も再開されておらず、何度も通いたいファンほど負担を感じやすい状況が続いている。

USJは「何度も楽しめる価値」をアピール

 一方のUSJは、値上げではなく年間パスポートの付加価値を高める施策を打ち出した。

 新たな特典では、年間パスでは利用できない「除外日」に入園したい場合、対象期間中に限り1デイ・スタジオ・パスを通常価格の半額で購入できるようになる。対象となるのは9月12日から12月31日までの入場分で、チケットは7月15日から販売される予定だ。

 年間パスポートは人気イベントや大型連休など一部の混雑日は利用対象外となるが、今回の特典拡充によって、そうした日でも通常より費用を抑えて来園できるようになる。

 USJでは近年、「スーパー・ニンテンドー・ワールド」をはじめ人気エリアの拡張や期間限定イベントを継続的に展開してきた。来園するたびに新しい体験を提供することで、「何度も遊びに来てもらう」価値を高め、年間パスポートの魅力を強化する狙いがあるとみられる。

 テーマパーク業界に詳しいマーケティング関係者は、両社の違いについてこう分析する。

テーマパークの狙いとは

「ディズニーはブランド価値を維持・向上させながら客単価を高める『プレミアム戦略』を進めています。価格が上がっても来園したいというファン層が一定数いることを前提にしたビジネスモデルです」(マーケティング関係者、以下同)

 一方でUSJについては、

USJは人気映画やゲームなどのIPを次々と導入し、年間パスポートを軸に『何度も来てもらう』ことを重視しています。今回の特典拡充も、リピーターの満足度を高める施策の一つといえるでしょう。

 同じテーマパークでも、ディズニーが『一度でも特別な体験』を提供する方向にあるのに対し、USJは『何度も足を運びたくなる体験』を積み重ねる方向へ舵を切っている点が大きな違いです」

 さらに、

「物価高が長引くなか、消費者は『一度の特別な体験』だけでなく、『何回行けば元が取れるか』というコストパフォーマンスも重視するようになっています。年間パスポートのような“お得感”を打ち出す施策は、今後さらに存在感を増していく可能性があります」

 と今後を展望する。

 もちろん、ディズニーとUSJでは世界観や立地、ターゲット層が異なるため単純な比較はできない。しかし、レジャー費を見直す家庭が増えるなか、「価格に見合った満足感」がこれまで以上に重視されているのは確かだ。

 ブランド価値を武器にプレミアム路線を進むディズニーと、年間パスポートの魅力を高めてリピーター獲得を目指すUSJ。物価高時代において、消費者がどちらの「お得感」に価値を見いだすのか――。2大テーマパークの異なる戦略は、今後のレジャー市場を占うひとつの指標となりそうだ。

週刊女性PRIME