Daiichi-TV(静岡第一テレビ)

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先週7月10日・金曜日。

(記者)
「高市政権に反対し、ここ国会前では多くの人が集まっています」

国会の前で行われていたのは、高市政権に反対するデモ。

この日、国会では大きな動きが。高市首相肝いりの政策の1つ、皇室典範改正案が、衆議院の本会議で賛成多数で可決したのです。この法案に、野党は立法府の総意つまり「国民の総意」とかけ離れていると批判が噴出。

そもそも、立法府「国会の総意」となる案は、衆参両院の正副議長のもとで与野党の代表者が6月とりまとめていました。

もともとの案では、女性皇族が結婚後も皇室に残ることや、旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎えることを可能にするものです。しかし、政府案には「養子の子や子孫について、男子なら皇位継承の資格をもつ」と「国会の総意」に含まれていなかった内容が。盛り込まれたのです。

(中道改革連合 中野 洋昌 衆院議員)
「あくまでこの皇位継承の問題は議論の対象とはされてこなかった。こういう認識をしております。立法府の総意を今回の改正案がはみ出ているんではないか」

(木原 稔 官房長官)
「養子の子孫については指摘のようにとりまとめに記述がないことから、現行の皇室典範に基づいて判断する。養子の男の子孫はこれは生まれながらの皇族であり、現行の皇室典範第1条および第2条が適用され皇位継承資格を有する」

(中道改革連合 中野 洋昌 衆院議員)
「例えば女性天皇あるいは女性宮家の創設等こうしたことについても、引き続き検討していく必要があるのでは」

(木原 稔 官房長官)
「立法府における将来の検討を先取りしたり、これを縛るような趣旨ではないものと承知をしております」

これを受け、中道改革連合は賛成に回りました。ただ、一部の中道議員は氏名標を立てて退出。

(中道改革連合 早稲田 夕季 副代表)
「もう退席をしたということだけであります。女性天皇・女性宮家、これについては私たちはずっと主張をしてまいりましたけれども、これについて盛り込まれなかった」

改正案は今週、参議院でも審議が行われ、今の国会で成立する公算が大きくなっています。

一方、成立が不透明となっているのが「副首都法案」。

政府は、いまの国会で衆議院の議員定数削減法案の成立を見送る代わりに「皇室典範改正案」と同様、最優先に位置付けています。

この「副首都構想」とは、東京に集中している政治や経済の機能を分散し、大規模災害時などでも国の重要機能を維持できるよう「副首都」を設置しようというもの。

自民・維新の連立合意にも含まれる「副首都法案」を巡っては、与党側が国民民主や公明党と修正協議を進めているほか、チームみらいなどにも賛同を働きかけています。

13日の審議で、野党からは十分な審議が行えていないと批判が相次ぎました。

(中道改革連合 伊佐 進一 衆院議員)
「何をそんなに急がれているのか、基本方針に副首都の担うべき機能とか基本的なところを書くわけじゃないですか…これを1年後に決めるのに副首都が指定できるというのはおかしくないですか」

(中道改革連合 早稲田 夕季 副代表)
「大阪ありきで進んでいるのではないかという懸念がぬぐえません」

(国民民主党 向山 好一 衆院議員)
「4時間程度の審議で、というのはあまりにも拙速で、なぜ、こんなに短い時間で重要なことを審議しなければいけないのか」

こうした与党の姿勢に立憲民主党の水岡代表は…。

(立憲民主党 水岡 代表 )
「(国会会期は)残り5日間、どう考えても難しいですよね…政府のマネジメントの稚拙さみたいなものにひどく我々は憤りを覚えるんですけども」

一方、13日午前には「政府与党連絡会議」が開かれ高市首相や維新の吉村代表らが会談。

(高市首相)
「残る議員立法の副首都法案についても、与党が一体となって会期中の成立を目指してまいりましょう」

会期末が迫る中、政府与党が最優先に位置付ける2つの法案については。

(日本維新の会 吉村 代表)
「いま進めている皇室典範改正案、副首都法案については、今国会で必ずやりきるということそれは確認いたしました」

いまの国会で必ず成立させることを改めて確認しました。

(スタジオ解説)

(澤井 志帆 アナウンサー)
特別国会の会期末である今週の金曜日まで残り数日となりました。今週は注目したい動きがたくさんあります。まずまだ審議が続いている法案では、皇室典範の改正、副首都法案、国旗損壊罪、また再審制度見直しなどがあるんですが、その上で高市首相は今週は野党党首との党首討論、そして衆参両院の予算委員会での集中審議が調整されている状況です。青山さん、これを見ると、かなり日程が詰まっているように見えますよね。

(コメンテーター 政治ジャーナリスト 青山 和弘 氏)
そうですね。残すところ4日で重要な法案が目白押しなんですけれども、この間に党首討論と集中審議…モニターに「17日か?」と出ていますけれども、おそらく集中審議は17日の会期末にならざるを得ない状況になりつつあります。こうした審議に高市さんが出てきて、野党の質問にどう答えるのか。重要法案についてもそうですが、疑惑が指摘されていた「中傷動画問題」なども追及されます。ここでの答弁次第でまた国会が紛糾する可能性もある。そういう意味では国会日程があまりにも窮屈だということは間違いないと思います。

(レギュラー コメンテーター 津川 祥吾 氏)
その「中傷動画」については、首相は国会に陳述書を提出すると。さらに提出して終わりではなくて、それをもって「また質問いただければ答えます」とお話されてましたが、それもこの会期内にやるということですか?

(コメンテーター 政治ジャーナリスト 青山 和弘 氏)
実は陳述書については今混沌としていて、私の取材では高市首相は周辺に、陳述書は「私は出したい」と話している。自分で答弁したわけだから「出したい」といってるんだけども、首相の周りが一斉に止めている状況だということなんですね。陳述書を出すと、内容を巡って「これは何だ」「納得できない」という批判が起きる可能性は十分ありますし、「自ら説明しろ」という要求が当然出てくる。そうすると国会を延長せざるをえなくなっちゃうので、首相周辺には陳述書は出さずにやり過ごすべきだという意見が強くて、最終的にどうなるのかまだ見えない状況なんです。

(レギュラー コメンテーター 津川 祥吾 氏)
会期を延ばそうという議論はないですか?

(コメンテーター 政治ジャーナリスト 青山 和弘 氏)
もちろん内々にはあるんですが、先ほどVTR内で高市さんも言ってたように、会期内で収めたいというスタンスをまだ崩してないということです。

(澤井 志帆 アナウンサー)
その他にも注目されている審議があります。それが、きょう質疑のあった副首都構想です。詳しく見ていきたいと思います。法案の目的としては、2つあるんですが、1つ目は大規模災害時に首都機能の代替を担うこと。そして2つ目が東京一極集中の是正が目的として設定されています。また、副首都となる要件としましては、東京圏と同時に被災する可能性が低いこと。また一定の人口や経済規模を有することなど、様々な要件が挙がっています。副首都に指定された場合、国から予算がついたり経済圏として投資を呼び込める期待もあり、大阪や福岡などが意欲を示している状況です。副首都構想を巡っては、日本維新の会が2025年10月、自民党と連立を組む際に合意書に盛り込んだ最重要課題で、今国会での成立にこだわっているんです。そこには維新が掲げ続けてきた大阪都構想の実現が絡んでいるんですが、これに対し野党からは「大阪ありき」との批判も上がっています。国民民主党は対案も国会に提出しているということです。津川さん、副首都構想についてはどう見ていますか?

(レギュラー コメンテーター 津川 祥吾 氏)
今回の法案が「大阪ありき」というのは確かにその通りかもしれませんが、首都機能の移転の議論についてはずいぶん前から議論がありましたよね。30年くらい前に国会を「どの辺に移そうか」みたいな話も決まりそうなところまでいって、結局うやむやになりました。あの時の議論としては、やはり防災の意味での首都機能の分散ですね。「危機管理」という部分と、もう一つは「地方創生」という目的があったと思います。地方に中枢機能を移すことで、日本全体を元気にしようと。もう一つ同時にあった議論は、そうじゃなくて首都圏、東京圏にもっと機能を集中させて国際的な競争力を高めるという議論の綱引きがあったと思うんですけども青山さん、今回は結局やはり「大阪ありき」の話になっているんですか…?

(コメンテーター 政治ジャーナリスト 青山 和弘 氏)
今回は当初は露骨に「大阪ありき」の法案だったんです。当初案は副首都の要件として「特別区」、東京23区みたいに市をなくして「特別区」を作らないとダメ、副首都の資格がないって法案だったんですよ。これだと、大阪も大阪都構想を実現しないと副首都に手を挙げられないし、市を廃止するつもりのない自治体は蚊帳の外だという法案だったんで、さすがに国会に出せないと自民党内で反発が起きて、最後は高市さんが吉村さんに頭を下げて、この要件を外してもらったんです。なので、今の法案は「ありき」とまではいえない法案にはなっている。だからこそ福岡もやる気を見せているんですが、それでも、吉村府知事が大阪都構想を実現するために、「副首都」を利用しているのは明らかです。副首都法が成立した暁には、2027年4月の府知事選挙と一緒に都構想の賛否を問う三度目の住民投票をやると言ってます。そういう状態なので野党側の「維新のための法案になんで私たちが付き合わなきゃいけないんだ」という反発につながっているわけです。

(レギュラー コメンテーター 津川 祥吾 氏)
各政党間の思惑はさておき、例えば大阪が副首都になりました、あるいは福岡が副首都になりました、という場合私たち静岡県にはどういう影響があると思いますか?

(コメンテーター 政治ジャーナリスト 青山 和弘 氏)
それは難しい質問ですね。というのも副首都がどういうものか、この法案では実はよくわからないんですよ。例えば東京から霞が関の一部でも移すのか。国会議事堂をもう一つ建てるのか。そういった具体案が全くない法案なんです。副首都というものを選定できるということにとどまってるので、「静岡にどう影響があるか」と言われても「よくわかりません」としか言えない。災害に強い国を作るという理念はいいんだけれども、じゃあ本当に副首都ができれば国が強くなるのかどうかさえもちょっとわからない。なので「議論が短い」という批判も出てきてしまうんです。

(澤井 志帆 アナウンサー)
会期末までにそれが明らかになることはあるんでしょうか?

(コメンテーター 政治ジャーナリスト 青山 和弘 氏)
いやもうならないと思います。先に副首都を設けることが先走って、具体案はこれから考えましょうということになるので、そこの点でも高市政権の責任は重いと言わざるを得ません。