JRT四国放送

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県の意向で一旦中止となった、建築家・石上純也さんの新ホール計画をテーマにした展覧会が、7月11日に徳島市で会場を移して始まりました。

展覧会の開幕に合わせて、石上さんらがこれまでの経緯を振り返り、公共建築の在り方を考えるトークイベントが開かれました。

建築家・石上純也さんが設計した文化センター跡地での、新ホール計画をテーマにした展覧会。

開催予定だった倉庫の土地を所有する県の意向で中止となっていましたが、11日、場所を移し徳島市東船場町で始まりました。

会場には、石上さんが設計した新ホールの模型や図面などが展示されています。

この開催に合わせ、徳島市のあわぎんホールでは公共建築の在り方などについて考えようと、石上さんらによる記念講演が開かれました。

最初に石上さんは、設計した新ホールについて、「日常的に人が集まり活気あふれる場所にしたい」と考えて、花びらが舞うような開かれたホールを設計したことなど、設計の意図や施設の特徴を説明しました。

このあと、石上さん、社会学者の古市憲寿さん、建築家で東京芸術大学准教授の藤村龍至さんらが登壇し、30年に渡る徳島の新ホール問題や公共建築の在り方について議論が行われました。

(社会学者・古市憲寿さん)
「ディスティネーション建築とかありますけど、それを見るために世界中から人が集まる建築みたいなものが今、世界中にたくさんある」
「お金かけてでも、ちゃんとしたものつくると世界中から人が集まる」
「一方で、どこの街にでもあるような音楽ホールを作っても、わざわざそれを見には来ない」
「結果的にそれが損しているんじゃないのって最近言われていて、そういう意味では石上案を応援したい」

(建築家・石上純也さん)
「僕がいろんな国で建築をつくって思うのは、どんなにいい建物を作っても、地域の人たちがあんまり思い入れがないと、どうやっても維持できないというのがあって」
「やっぱり地域の住民の人たちが、参加をしたいって気持ちになったりとか、施設を残したいという気持ちにならないと、絶対維持できないんですよ」
「技術的なところとみんなの思い、両輪がない限りできないんじゃないかと」

また、自治体のトップが変わるたびに計画が変わるなど、公共建築が政治に左右されている問題については。

(建築家・藤村龍至さん)
「前任者の案を否定することが、政治的なツールになってしまっている。今、再構築しなければいけないのは専門性」
「専門性のある人たちが、政治家は変わるかもしれない、市民の意見は変わるかもしれない」
「それぞれ意見は聞くけれど、間で一貫性を保つということを提案していく」
「専門家同士の議論があって、それを聞いた県民が意見を言う、政治家の人たちが意見を言う形にした方がいいんじゃないでしょうか」

(社会学者・古市憲寿さん)
「結果的にホール完成が遅れたことは残念ですけど、一方で、これだけ関心持つ人が増えて」
「知らないうちになんとなく街にホールができたというよりも、どんな形であれ、ホールができたときに、関心持ったホールができるって、ちょっと思いが違う」
「結果的に関心が集まるホールができたことは、決して悪いことではないと思う」

訪れた人たちは、それぞれの視点での専門家たちの話に熱心に聞き入っていました。

(訪れた人)
「建築物が政治の論争に使われるのではなくて、政治と切り離されたところで、専門家が建築が街に与える影響を長い目線で考える場があった方が良い」

(岡山県の建築学生)
「学生の中でも徳島県の話題は有名になっているので、実際に石上さんの意見を聞けてすごく勉強になった」
「建築家が政治とどう向き合うのかだったり、街としてどう向き合っていくのかが、これからの建築家にとって、必要になってくると強く感じた」

(建築家・石上純也さん)
「いろいろな議論が話されて、それをみなさんがどう受け取ったかすごく興味があるし」
「こういう話を聞きにきてくださるのも、公共建築をつくる上で、高いポテンシャルになるなと思っているので、きょうはすごく有意義だった」
「いろんな知るべき情報を知って、みんなが一人一人判断できるような状態をつくることがすごく大事だし」
「それが今回の展覧会の意義に繋がっているので、実際に足を運んで模型を見てほしい」

8月15日にも、別の登壇者を招いたトークイベントが、徳島市の四国大学交流プラザで開かれる予定です。

石上純也さんの新ホールをテーマにした展覧会は、8月30日まで徳島市東船場町の竹内ビルで開かれています。

30年にわたって、さまよい続けてきた新ホール整備計画。

この展覧会は、今一度考えるきっかけとなりそうです。