「上位1%しか稼げない」夢を追う若者を待つ現実 K-POPアイドルの収益構造が抱える深刻な課題
K-POPアイドルは、真に「夢の職業」といえるのだろうか。
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華やかなステージ、きらびやかな衣装、海外ファンの歓声。多くの人がK-POPアイドルに抱くイメージは、成功と富に近い。
だが、その裏側では、音楽番組で1位を獲得しても十分な精算を受けられなかったと明かすアイドルも存在する。
ガールズグループMOMOLANDのヘビンが、アイドル活動の収益構造について率直に語り、注目を集めている。

ヘビンは7月6日、自身のSNSで公開した動画を通じて「アイドルになって10年以上経ったが、多くの方がアイドルはお金をたくさん稼ぐと思っている。でも違う」と切り出した。
彼女が説明したのは、いわゆる中小事務所に所属するアイドルが置かれる厳しい精算構造であった。
華やかな活躍の裏にある過酷な精算システム大手事務所を除けば、練習生時代のレッスン費、食費、宿舎費、練習室のレンタル費などが、デビュー後に請求されることがあるという。ヘビンはそれを「練習生生活は後払い」と表現し、数億ウォン(数千万円)規模の借金を背負ってデビューするようなものだと語った。
MOMOLANDといえば、決して知名度の低いグループではない。2016年にデビューし、『BBoom BBoom』『BAAM』『I'm So Hot』など、中毒性の高い楽曲で存在感を示した。なかでも2018年の『BBoom BBoom』は大ヒットを記録し、MOMOLANDは「中小ドルの奇跡」とも呼ばれた。
それでも、ヘビンによれば、その成功が直ちに個人の収入につながったわけではなかった。
彼女は「MOMOLANDはデビュー2年で音楽番組1位を取った。当時、“中小ドルの奇跡”と呼ばれたが、お金を稼いだわけではなかった」と明かした。楽曲制作費、ミュージックビデオ、ジャケット撮影、マネージャーの給料、車両維持費、ガソリン代、ヘアメイク費用まで、会社と分けて負担する構造だったという。
さらに、ミュージックビデオを1本撮影するたびに、自身にも数千万ウォン(数百万円)単位の費用が発生し、それをすべて完済するまでは精算を受けられなかったと説明した。

イベント出演料についても、世間のイメージとは大きく異なる。ヘビンは「イベント出演料が5000万ウォン(約500万円)だったとしても、会社と半分に分け、そこからメンバー数で割り、さらにヘアメイク、スタイリスト、食費などを差し引くと、残るのは約200万ウォン(約20万円)程度」と話した。
しかも、その金額すら実際の収入にはなりにくかったという。「イベントで得たお金は次のアルバムやミュージックビデオ制作費に再投資される」とし、「自分の通帳に入る前にまた会社へ戻っていく構造だった」というのだ。
ヘビンは「一般人の上位1%が練習生になり、その中の上位1%だけがデビューする。さらにデビューしたアイドルの中でも上位1%になって初めてお金を稼ぐ」としたうえで、「私はその1%になれなかった」と語った。
この言葉が重みを持つのは、MOMOLANDがまったく売れなかったグループではないからだ。ヒット曲があり、音楽番組での1位獲得があり、海外でも知られた。それでも、本人の実感としては「稼げたアイドル」ではなかったのだ。
重なる元・現役アイドルたちの過酷な証言同じような証言は、これまでにも複数の元アイドルから上がっている。
例えば、ボーイズグループVICTON出身のド・ハンセは、音楽番組出演時の採算性について語ったことがある。

彼によれば、自身の活動当時、音楽番組1番組あたりの出演料は約5万ウォン、日本円で約5000円程度であった。一方で、1週間にわたって音楽番組を巡るには約1000万ウォン(約100万円)、カムバックのためのヘア、スタイリング、スタッフの食費などには約2000万ウォン(約200万円)がかかり、それがアイドルの借金になると説明した。
もっともド・ハンセはその後、これは状況を一般化する意図ではなく、自身の発言の前後が切り取られた面もあるとして釈明している。それでも、音楽番組への出演が必ずしも収益につながらないという現実を示す発言として、大きな反響を呼んだ。
TARGETのウジンも、さらに厳しい現実を明かした一人だ。彼は自分自身を「前職アイドル」と表現し、16歳から8年を捧げ、1000回を超える公演を行ったにもかかわらず、最低賃金すら受け取れなかったと打ち明けた。時折受け取った品位維持費や数十万ウォン(数万円)程度がすべてだったという。
ウジンはアイドル志望生に向けて、「ダンス、歌、ビジュアル、演技、情熱、切実さといった基本的な素養の他にも、大人たちを相手にする知識と是非を判断する賢明さを両親から学んでいってほしい」とアドバイスした。夢を追う若者へ向けた言葉としてはあまりに現実的であり、だからこそ切実だった。

最近では、fromis_9のパク・ジウォンの告白も注目された。
彼女は6月に公開されたYouTubeコンテンツにおいて、昨年や一昨年まではほとんど無一文だったとし、「8年間、無収入だった」「精算を受けたのは最近」と明かした。
fromis_9は2018年にデビューし、HYBE傘下のレーベルであるPLEDISエンターテインメントに所属していた時期もある。それだけに、「アイドルだから稼いでいるはず」という世間のイメージとの落差は大きかった。
さらにfromis_9は、過去の宿舎生活についても語っている。会社の建物の上層階を住居のように改造した場所で暮らし、冷暖房の効きが悪く、冬には水道が凍結し、夏にはエアコンから水が垂れることもあったという。華やかなステージの裏側で、生活環境に関しても決して楽ではなかったことが窺える。

一方で、K-POPの頂点に位置するグループは、まったく違う景色を見ている。
代表的な存在がNewJeansだ。2023年、所属事務所ADORの売上高は1103億ウォン、営業利益は335億ウォンを記録した。
金融監督院の公示資料をもとにした推計では、NewJeansメンバーに精算された金額は計261億ウォンとされ、5人で割ると1人あたり52億ウォン、日本円で約5億2000万円に上る計算になる。

また、EXOのベクヒョンは初期の精算金を両親に渡し、家や車をプレゼントしたと明かしている。GOT7のベンベンやIVEのガウルも、家族に家や車を贈ったエピソードで知られる。
音楽番組で1位を獲得しても精算を受けられなかったと語るヘビンがいる一方で、1人で5億円規模の精算を受け取ったと推定されるNewJeansがいる。同じK-POPアイドルであっても、見ている景色はあまりにかけ離れている。

もちろん、高額な精算金を得るアイドルが存在するのは、圧倒的な人気と売上があってこその結果だ。広告、音源、アルバム、グローバルな人気まで含めて、動かす金額の規模が異なる。
逆に言えば、K-POPアイドルの収入は、デビューしたかどうかや話題になったかどうかのみで決まるものではなく、所属事務所の投資構造、制作費、精算条件、売上規模、グループの人数など、さまざまな要素に左右される。
K-POPは世界を席巻する巨大産業へと発展した。しかし、その光の陰には、何年も活動しながらも無収入を語るアイドルがいる。音楽番組での1位、ヒット曲、海外での人気。そうした肩書きがあっても、個人の通帳にお金が残るとは限らないのだ。
一方で、頂点に立ったアイドルは、一般人の想像を超える精算金を手にしている。
ステージの上では同様に輝いて見えるK-POPアイドルたち。しかし、その裏側には、あまりにも大きな明暗が横たわっている。
(記事提供=スポーツソウル日本版)

