プロも注目する142キロ左腕、医師免許取得を目指しつつプロ野球も諦めない|加賀谷一(県立千葉)

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毎年、東京大学をはじめとした難関国立大学に多くの合格者を輩出することでも知られる、千葉県屈指の進学校・県立千葉高校。そんなチームで医師免許取得とプロ野球選手の両方を目指しているのが加賀谷一投手だ。プロも注目する左腕に、少年野球時代のこと、野球と勉強のことなどを聞いた。

<子どもの頃の憧れは近本光司>

--野球を始めたきっかけを教えてください。

3つ上の兄が野球をやっていたことと、両親が阪神ファンだったことがきっかけです。

--チームに入ったのはいつ頃ですか?

小1のときに「有吉メッツ」というチームに入りました。

--練習頻度はどれくらいでしたか?

土日の朝~午後まで、夕方まではやっていなかったですね。

--野球以外に水泳など他の習い事は何かしていましたか?

塾には行っていなかったですし、他は何もやっていませんでしたね。

--小学校の時は親御さんに「勉強しなさい」とは言われていましたか?

めちゃ言われていました。野球で怒られたことはなかったですけど、勉強ができないと父によく怒られていました。

--勉強を「嫌だな」とは思わなかったですか?

怒られるのは嫌でしたけど、やって点数がとれる事に嬉しさはありました。

--そうやって勉強することが小さい頃から習慣になったのでしょうか?

勉強はやらされていたので、習慣にはなっていなかったですね(笑)。

--チームの雰囲気はどんな感じでしたか?

全然厳しくなくて和やかな感じでのチームでした。指導者が怒鳴ったりとかもなくて、週末の練習はいつも楽しかったですね。

--チームは強い方でしたか?

千葉市の緑区では一番強かったです。

--当時憧れた選手はいますか?

阪神の近本光司選手です。ポジションはピッチャーをはじめ一通りやりまいたけど、小6の時は外野もやっていて、近本選手のホームランよりも単打をどんどん打っていくというバッティングスタイルと、あとは足が速いところが当時の自分のスタイルに似ていて、憧れていました。

<野球ではなく勉学を第一に考えて千葉高校へ>

--中学からは「京葉ボーイズ」に進んでいますが、全国的な強豪で部員も多いチームででやろうと思ったのは?

小5のときに千葉市選抜チームに選ばれて、そのときに京葉ボーイズの保護者さんが「体験に来てみない?」と声をかけられて、その流れで体験に行ったことがきっかけです。コーチの雰囲気と選手達のレベルが高いのがいいなと思いました。小学校の時が特別強いチームではなかったので、一度強いチームでやってみたいという気持ちもありました。

--実際に入ってみてどうでしたか?

レギュラーになるとかは、そんなに考えなかったんですけど、自分の力が試せたので楽しい3年間でした。一度だけ一軍に上がることができましたけど、ピッチャーだけでも7、8人はいたので試合では投げることはありませんでした。最後は二軍で卒団しました。中学時代のマックスは128キロだったと思います。

--中学時代の練習は週末だけ?

はい。平日は自由参加で室内練習場で練習もできたんですけど、自分は勉強があったので平日に野球はしていませんでした。

--中学時代はどれくらい勉強をしていましたか?

平日は多い日は5時間くらい、少ない日は2時間くらいしていました。土日は遠征があったりするので朝~夕方まで野球で、帰ってから勉強をしていました。

--高校はどのように決めたのでしょうか?

トライアウトがあって、そこで県外を含めて7、8校から声を掛けてもらいました。でも(高校を選ぶに当たって)野球が第一ではなく、勉学を第一に考えていたので、自分の学力でいける最高峰に挑戦しようと思って千葉高校を選びました。

--千葉高校での平日の練習時間はどれくらいですか?

6限授業の日は2時間弱。7限のときは1時間ちょっとくらいです。

--高校で一番伸びたと思うところはどんなところですか?

数字的には球速が142キロまで伸びて体重も65キロから79キロに増えました。身長は中3くらいで止まって変わっていなくて、173センチのままですけど。

--体重を増やすために取り組んだことはありますか?

母が医者なので、栄養面とか色々と考えてくれていましたし、とにかく沢山食べました。

--小中学時代の野球を思い返してみて、もうちょっとこうしておけば良かったなと思うことはありますか?

練習を結構怠けていてサボり気味だったので、フォームの定着というか、自分の中で「こうすればいい」という確立ができなくて、そこは練習量をもっと積むべきだったなと思っています。

--最後の夏に向けて、目標を教えてください。

チームとしてはベスト16。個人としては球速を145キロくらい、できれば140キロ台後半を出したいです。あとは5回戦まで勝ち上がって市立船橋とやって、自分の良いピッチングでよい試合ができたらなと思います。

--夏に140キロ台後半を出すために取り組んでいることはありますか?

あまりもうできることもないんですけど、朝にウェイトをやったり、フォームチェックをしたりしています。その辺のことは自分で調べたり考えたりしてやっています。

--将来の目標は?

まずは国公立の医学部に進んで医師免許を取ることです。

--高校で野球をやっている時間を勉強に使いたくはならないですか?

野球と勉強、どちらか一つに絞ろうと思うと多分自分は集中できないと思います。あとは、野球は野球として可能性をまだ捨てたくないという思いもあります。

--プロも目指したい?

国公立の医学部に進んだら一旦野球は辞めて、医師免許を取ったら野球をもう一回やろうと思っています。

--プロのスカウトも試合を観に来たりしていますが、辞めてしまうのは勿体ないとは思わないですか?

指名されないと思いますけどプロ志望届は出そうと思っています。もし指名されたらプロに進んで、引退してから医学部を目指すというふうに、順番を逆にするのも選択肢としてはありかなと思っています。
(取材・写真:永松欣也)