不動産市場の「重心」が、静かに動き始めている。東京一極集中の空気が薄まり、埼玉・千葉・神奈川といった郊外エリアへの関心が高まっている。不動産投資アドバイザーの木村洸士氏は、首都圏の中古マンション成約件数において東京都のみが前年比マイナスになっているという数字を取り上げ、都心の不動産市場で今何が起きているのかを丁寧に読み解いていく。

東京23区の中古マンション平均平米単価は137万円に達し、良質な立地ではさらに高額になる。かつては「東京に住む」ことそのものがステータスだったが、価格が限界を超えれば需要があっても買えない層が増える一方だ。木村氏は「上がり続けるわけがない」と明言し、バブルが崩れた先に何が起きるかを指摘する。コスパやタイパを重視する若い世代を中心に、「2億円の物件を買う理由」が見えなくなってきているという現実も、その背景にある。
 
一方、郊外に目を向けると、状況は全く異なる。東京に比べて大きな価格変動が起きにくい郊外では、実需が着実に育っている。子育て支援が充実し、ファミリー層を呼び込む自治体には人口が集まり、人口減少の時代でも独自の活況を見せているエリアが出てきている。「どこでも良い」ではなく、「選ばれる郊外」であるかどうかが判断の軸になると木村氏は強調する。そうした街では今、需要が集中し始めており、お客さんの「奪い合い」とも言える状況が生まれているという。
 
投資の観点でも、郊外の優位性は鮮明だ。東京の新築アパートの利回りが5.5%程度にとどまるのに対し、郊外の中古アパートでは10%を超える案件も出てくる。その差が何を意味するか。月の手残り、次の物件への投資余力、そして長期的な資産の積み上げ方が根本から変わってくると木村氏は話す。複数棟保有が現実的な選択肢になるという視点は、東京一点集中の発想とは一線を画している。
 
ただし、郊外ならどこでも良いわけではない。実需向けのエリアと投資向けのエリアは微妙にずれる。駅前再開発の有無、交通網の改善、行政の子育て施策、需要の担い手が誰なのか。こうした要素をどう組み合わせて判断するかに、投資の明暗を分ける視点が潜んでいる。関東の具体的なエリア名と、それぞれの選び方の根拠を木村氏はこの動画の中で詳しく示している。

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