ラウンド32でブラジルに1-2で敗れ、北中米W杯を去ることになった日本代表。右シャドーで攻守に走り続けたMF伊東純也(ゲンク)は、一夜明けても悔しさを胸に抱きながら、冷静に敗因と今大会を振り返った。

「昨日と変わらず残念だなとは思うが、昨日よりは切り替えられていると思う」。ブラジル戦の前半は狙い通りの守備で世界屈指の攻撃陣を封じた。しかし後半、相手は4-3-3から4-4-2へシステムを変更し、クロスを多用する形へシフト。日本は対応が後手に回り、修正し切れなかった。

「相手がやり方を変えてきたところに対して、(日本が)修正できる前にうまくハマってしまった。そこから相手に勢いを持ってこられた」。ただ、敗戦の原因が守備だけにあるとは思っていない。

「守備的に行くのは間違っていなかったと思う。でも、そこからの攻撃の質は低かった。いつもだったらいい守備から奪ったときにみんなが自信を持って、いい攻撃ができていたけど、ただ蹴り出すだけだった」

 前半にはボールを奪って逆サイドへ展開し、自らが起点となってチャンスを演出した場面もあった。しかし後半は「ボールを持っている時間がほぼなかった」と振り返るように、自分たちの時間をほとんど作れなかった。「もっと奪ったあとに一人でタメを作れたらよかった」。世界との差を感じたのは、攻撃へ転じる一瞬の質だった。

 ブラジル戦に限らず、今大会すべてを通じても、自身のプレーには満足していないという。「前回もそうですけど、もっとできたなという部分がある」。カタール大会の決勝トーナメント1回戦・クロアチア戦ではPK戦に突入したが、伊東自身は120分のプレー後だったため脚がつっており、キッカーに名乗り出なかった。

 プレッシャーの中でPKを蹴る仲間の姿を見て、「次は自分が蹴れるように」とPK戦に備えた準備もずっとしていたという。今回、延長戦やPK戦はないままに終わったが、33歳になっても日本屈指のアタッカーとして第一線を走り続けていることについては「特別なことはしていない。日々のトレーニングやリカバリーを続けてきた成果だと思う」と、今なお成長する自分を実感している。

 今後の代表活動については「まだ何も決めていない」としながらも、「ここにいられることは誇りだし、本当に幸せなこと。選ばれる限りは、自分から代表を断ることはないと思う」と前を見つめる覚悟を示した。

(取材・文 矢内由美子)