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消費減税をめぐり、与野党の攻防が激しくなっています。飲食料品の消費税を2年間「実質ゼロ」にする案で今月中の取りまとめを目指す自民党に対し、野党側は給付の方が効果的などと反発し、調整が難航しています。

■議長案に野党側は猛反発

24日午後3時から始まった社会保障国民会議。先週、議長である自民党の小野寺税調会長は、来年4月から2年間、飲食料品の消費税を「実質ゼロ」にするという議長案を示しましたが、野党側は猛反発しました。

国民民主党 古川代表代行(6月17日)
「この間の議論って何だったのか」

チームみらい 峰島侑也議員(6月17日)
「現状版だとチームみらいとしては同意は難しい」

先週時点の案では、現在8%の飲食料品の消費税率を来年4月から2年間、1%へ引き下げ、働いている中低所得者に対して、消費税1%分の財源を使って所得に応じた給付を行うとしていました。

しかし、野党からは、消費税率を引き下げても、飲食料品の値段がそのまま安くなるかは不透明で、2年だけの減税よりも対象を絞って給付する方が効果的だといった指摘が出たのです。

■身内からも異論 調整に奔走の小野寺氏「厳しい」

さらに、身内の自民党内からも異論が噴出しました。

自民党 稲田朋美議員
「減税ではなくて中低所得者に重点的に給付の形にすべき。(議長案は)7%減税で1%給付ですけれども、ここは全部給付にする方が早く給付できます」

連日、各党との調整に奔走する小野寺議長。野党の考えを一定程度盛り込んで、月内に制度案を取りまとめることを目指していますが…

自民党 小野寺税調会長
「努力をしていきたい。ただ、厳しいですね」

■「消費税の実質ゼロ化」官邸担当記者が解説

ここからは、政治部・官邸担当の渡邊翔記者に聞きます。

    ◇

24日の会議では、議長の自民党・小野寺税調会長から、取りまとめの素案が示されました。消費減税の部分に絞って説明します。

ポイントは、「消費減税をやるという結論は変わっていないが、野党の主張も反映した」というところです。まず結論の部分です。

●来年4月1日から2年間、軽減税率の対象になっている飲食料品の消費税率を1%に下げる

●税率1%分の財源は年間およそ6000億円で、中低所得の勤労者=働いている人に対して、その所得に応じた「きめ細かな給付」を来年度から導入する

つまり、今の飲食料品の消費税率8%のうち、7%分は減税、1%分は給付で、あわせて与党の選挙公約にもあった「消費税の実質ゼロ化」を実現するとしています。

また、消費減税によって、収入が減ってしまうなどの懸念が出ている外食産業や農業従事者などへの来年度からの支援の実施を目指すことや、消費税率の変更に柔軟なレジシステムの普及を図ることも盛り込まれました。

■野党の主張反映も…ほとんどが反対

――野党の主張を反映した部分は?

これまでの議論で出た次のような意見が反映されています。

「消費減税ではなく、給付で対応すべき」つまり「給付だけ」を行う方が、低所得者を重点的に支援できますよという、国民民主党とチームみらいの意見です。

「財源を確保して、飲食料品の消費税を恒久的に減税すべき」というのは、中道改革連合や公明党などの意見です。

また、消費減税の課題として、高所得者ほど減税の恩恵が大きいこと、消費税率を下げても企業がその分商品の価格を上げ、減税分ほど価格が下がらない可能性や、2年後に一気に税率を戻す際の経済への影響なども明記されました。

――野党側の懸念を盛り込むことで、野党は消費減税に賛同する?

24日の会議後、野党はほとんどが「反対」でした。

中道改革連合は「このままでは党の合意は得られない」と、「給付の方がよい」と主張しているチームみらいは「消費税減税をやるという書き方をしている取りまとめには賛同できない」と、同じく給付を主張する国民民主党にいたっては「まとまらなかったという取りまとめもあるのでは」と発言しました。つまり決裂もやむなしとまで話したのです。

■議論集約は不透明に…高市首相は“やきもき”

――会議の決裂は高市総理も避けたいですよね。

そうです。ただ、高市総理は国民会議に議論を委ねているので、オモテの場で「消費税1%でまとめて」と指示するわけにもいきません。政府関係者によると、かなりやきもきしながら議論を見守っている状況のようです。

さらに、国民会議で無理に与党案を通すと、国会審議にも影響が出かねません。高市政権は、参議院ではまだ少数与党のままですから、野党が反発すると、国会で残った重要法案を通せなくなるリスクもあるのです。

消費減税と給付は、そもそもの部分で与野党の考えが対立するなか、議論を集約できるかは不透明になってきたと言えそうです。