歯科衛生士どうしで「麻酔」を打ち合い… 医者も知らない意外なお仕事
お口の健康づくりをサポートする歯科衛生士。歯科医師の診療補助が主な役割だが、新たな活躍の場が広がっているという。
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【実際の写真】歯科衛生士どうしで「麻酔」を… 初の「人体実習」の現場
「打ってはいけないと思い込んでいる」
真剣なまなざしで注射器を持つ若いデンタルスタッフと、その横で指導する歯科麻酔認定医。よくあるクリニックの一風景にも見えるが、実はこれ、歯科衛生士が局所麻酔を実践的に学んでいるところ。業界的には極めて珍しいシーンという。
一般社団法人「国際歯科医療協会」(IDMA)が5月31日、都内で「歯科麻酔・救急蘇生講習」を開き、24人の歯科衛生士が参加した。
「そもそも衛生士による局所麻酔は、歯科衛生士法に基づき一定の条件下で可能なのですが、歯科医師が、衛生士は打ってはいけないと思い込んでいたり、打てる事実を知らなかったりするのです」(歯科医師)
高齢者の予防医療が増す中で、現場は衛生士不足と医師の業務負担増に悩まされ続けている。こうした状況を踏まえ、厚生労働省は昨年、新指針を出し、衛生士が麻酔を行うための研修プログラムを提示。協会はそれに準拠した教育機会を提供しているというわけだ。

初の人体実習
協会はこれまでもマネキンを使用した実習を行ってきたが、今回の講習が画期的なのは、衛生士同士が局所麻酔を交互に打つ初の人体実習を行い、救命実習をも組み込んでいること。
協会の代表理事、長谷川悠子氏は「模型での練習と人体での実習とでは習熟度が全く違います。蘇生術も実際にやってみないことには。衛生士の技術向上を継続的に支援していきたい」。最高顧問で歯科医師の山崎長郎氏は「医師の負担軽減はもちろん、衛生士の職域拡大、地位・給与水準の底上げにつながると考えています」と話している。
撮影・福田正紀
「週刊新潮」2026年6月11日号 掲載
