広島テレビ放送

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 5月末に公開の映画「箱の中の羊」。是枝裕和監督の最新作です。テーマは「AIと人」。監督がこの作品に込めた思いを聞きました。

 5月7日、是枝裕和監督が新作映画の舞台挨拶で広島を訪れました。カンヌ国際映画祭など、数々の映画祭で受賞している是枝監督。
 5月29日公開の「箱の中の羊」。日本映画では、8年ぶりのオリジナル脚本で描く最新作です。
 
 舞台は少し先の未来。息子を亡くして2年の夫婦が、息子の姿をしたヒューマノイドを迎え入れることで、止まっていた家族の時間が再び動き出す様子を描いた物語です。
 
 舞台挨拶を前に是枝監督が、広島テレビに足を運んでくれました。

■是枝 裕和 監督
「2年ほど前、中国で死者をよみがえらせるビジネスが人気という記事を読んだ。生成AIで死者をよみがえらせることによって、小さなお子さんがお母さんの死を受け入れられないという状況のときに、寝る前にパソコン上で、お母さんとやり取りをしておやすみなさいと言って寝る。ある年代に達したら、契約解除する取り組みをしていて。これはたぶん広がるだろうなと 思って、それを描いてみようと思ったのがスタートでした。」

 映画では、重要なモチーフとなる木が登場します。撮影されたのは、庄原市にある「熊野の大トチ」です。

■森 拓磨 アナウンサー
「木が印象的。」

■是枝 裕和 監督
「生成AIがもし独自の知的体系を 持ちうるとすると、人間よりは森林に近いのではないか、ということを書かれている方がいて、その着想がとても面白かった。目で見えないものでつながっている。そこがむしろ親近感を持つという形にしてみようと思った。」

■森 拓磨 アナウンサー
「今で言うとAIや機械、人の心。これは永遠のテーマ、このテーマに関しては?」

■是枝 裕和 監督
「付き合い方次第。人間が人間らしいものを作るとか、人間を超えるものを作ることに対するディストピア感(反理想郷)があふれている。日本人は、そうでもないのではないか。ドラえもんがいるからかもしれない。鉄腕アトムでもいい。人間中心で世界を考えるのとは違う捉え方が、実はすごく深いところで刻まれているのかなと思っていて。その辺が出てくるといいなと思っていました。自分で作っといて言うのもなんだが、説明しにくい映画。あまり言語化できないから、撮っている。言語化できないまま、ここにたどり着いていて。自分で(言語化)するのはいいかなと。人にしてもらおうと思っている。」

■森 拓磨 アナウンサー
「答えがないのは当然だけど、言葉で表現されていないシーンが沢山ある。こちらが考えていくというもの?」

■是枝 裕和 監督
「そう作りました。これだからあれだよね。録画しておいてもらって(映画を)見たあとに、この番組を見直してもらえたらいいかな。」

 映画「箱の中の羊」は、5月29日全国公開されます。

【2026年5月11日 放送】