■使い勝手、あれやこれや

いろいろなことができるEM・ONEだけに、すべてを語っていてはページが足りなくなる。なので、ファーストインプレッションということで、使ってみて気がついたことを並べていこうと思う。

使ってみて気になるところは、使いづらさが多くなってしまうが、この端末が気に入っていないっていうわけではないことを最初に言っておく。いや、気に入っていないのではなく、どちらかというと気に入っているのだ。気に入っているから、これからも使っていきたいからこそ感じる"気になること"をレポートすることを理解していただきたい。

最初に思ったのは電源ボタン。スライドさせてその状態で1秒ぐらいすると電源が入る。スライドさせる機構のバネが強いのか、戻ろうとする力が強いのだ。場所的に左手の親指や人差し指でスライドさせることになるのだが、これがスライドさせづらい。気軽に電源を入れようとすると、指が滑って電源オンに失敗することが多いのである。鞄の中などで勝手に電源が入らないようにということなのだろうが、もう少し軽くスライドできるとよかったのになどと思ったのである。

これが電源ボタン。右利きの筆者としては右側にあればもう少しラクなのにと思うのだ。

次に思ったのがスタイラスペンの収納場所。左側の下ってかなり出しづらいと思うのだ(筆者が右利きなのでよけいに思うのだろうが)。筆者が右利きなのでよけいに思うのではないだろうか。左上に収納ができるなら持ち替えることなく右手で取れるが、左下になると左手でスタイラスペンを出して、右手に持ち替えることになるのだ。

また、別売でクレードルが準備されているのだが、クレードルに乗せてしまうとスタイラスペンは取り出せないのである。左上はワンセグ用のアンテナがあるので収納はムリかもしれないが、右利き左利き、さらにはクレードルに乗せているケースを考えると、左上か右上に収納部があればベストだったのにと思うのだ。クレードルにはUSBケーブルが接続できるので、パソコンとUSBケーブルで接続しておけば乗せるだけで同期がはじまる(対応しているパソコンで、さらには設定が必要)。

スタイラスペンは本体の左下に収納される。これが別売のクレードル。USBケーブルでパソコンと接続できる。クレードルに乗せるとこんな感じ。スタイラスペンはクレードルで隠れてしまい、取り出すことはできない。

そしてキーボード。このキーボードは両手で持って親指で入力するように考えられているのだが、ちょっと幅が広いので真ん中あたりのキーを打つ場合に親指が届きづらい印象だ。

あと、変換するための「Space/変換」キー。これは横長のキーなのだが、真ん中を押すと認識されない。左右の端を押さないと認識しないのである。最初は故障かと思ったのだが、マニュアルをよく見てみるときちんと書いてある。「キーの右端または左端を押すように操作してください」とのことだ(ちなみにマニュアルの1-20ページのいちばん下である)。

最後に通信速度。これはさすがにすばらしい。高速と謳っているだけに速い。有線のブロードバンドで接続しているのと比べ遅いが、携帯電話でインターネットを閲覧したり、ウィルコムの端末を使ってノートパソコンと接続に比べれば、かなり速い。Web閲覧やメールなど、インターネットを、出先でもストレスなく利用することが可能なのである。ちなみに比較をしておいたので参考にしていただきたい(データは筆者の仕事場で時間帯を変えて、スピードが計測できるサイトで3回計測してみた平均である)。

これがキーボード。筆者だけかもしれないが、両手で持って両手の親指を利用すると真ん中あたりに届きづらい。

●EM・ONEのブラウザを利用した場合
889Kbps

●EM・ONEをパソコンとUSBケーブルで接続してパソコンのブラウザを利用した場合
593Kbps

●EM・ONEをパソコンとBluetoothで接続してパソコンのブラウザを利用した場合
214Kbps

●ウィルコムのAX530INをパソコンのカードスロットにさしてパソコンのブラウザを利用した場合
72Kbps

●ウィルコムのAX520Nをパソコンのカードスロットにさしてパソコンのブラウザを利用した場合
11Kbps

これまで筆者は出先で無線LANがない場所でパソコンを使う場合には、ウィルコムのカードタイプの端末を利用していたのだが、その接続スピードの違いにはちょっとビックリさせられた。ただし、接続できる場所がまだまだ少ない(筆者の住む大阪市内でも地下にはいるとほぼムリに近い)ので、ウィルコムの端末は持ち歩く必要はある。

次のページでは、カメラ機能を見ていただこう。