「うだつが上がらない」の「うだつ」ってなに!?【建築の話】

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「うだつが上がらない」の「うだつ」は建築用語?

「うだつが上がらない」の由来とは?

屋根材を押える備えが防火にかわったわけ

「うだつの上がらない人だ」という言葉を聞いたことがあるでしょう。うだつは漢字で「卯建」と書き、日本家屋に見られる設備です。関西発祥なので、関東より北の方には馴染みが薄いかもしれません。うだつは防火設備だと解説されることがありますが、当初の目的は違いました。

中世から近世にかけての町家の屋根は、多くが板葺きでした。強い風にあおられると、めくれあがってしまいます。これを防ぐため、茅などを束ねて屋根を押さえたのが、うだつの始まりです。そもそも可燃性ですから、防火機能はほとんどなかったと考えられます。

江戸時代に入ると、壁が漆喰塗りになり、屋根は瓦になって、町家の防火性は高まりました。しかし、軒裏部分は火が走りやすいので、袖壁を外に出し、漆喰で固め、延焼を防ぐ袖(うだつ)が登場します。

このころ、うだつが防火設備になったのです。火事が多いのは冬ですから、袖うだつは冬に風が吹く側につければこと足ります。しかしそれではバランスが悪いので、厚みの違うものを両サイドにつけるようになりました。よく観察すると、風下側のうだつは薄く、風上側は火に耐えるよう厚く、つくられていることがわかります。

とはいえ、このようなうだつを設置するのにはそれなりの費用がかかります。そこから「うだつの上がっている家は成功している」というイメージが浸透し、「うだつが上がらない」という表現がうまれたようです。

そのためか、現在も残っているうだつの多くは、本来の機能とは別にうだつの壁面には細かい装飾や小屋根に意匠を凝らしたものとなっています。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 建築の話』著/スタジオワーク