NVIDIAがAIのトレーニング用に海賊版サイト「Anna’s Archive」と協力体制を取っていたことについて「連絡するだけでは著作権侵害には当たらない」と主張し訴訟の棄却を要求

NVIDIAは海賊版書籍を含むデータセット「Book3」でAIのトレーニングを行っていたとして2024年に複数の書籍の著者から集団訴訟を起こされており、裁判資料の中で「人類史上最大規模のシャドウライブラリ」を自称する海賊版サイトのAnna's Archiveと協力体制を取っていたことが指摘されていました。訴訟に対しNVIDIAは、「海賊版サイトに連絡するだけでは著作権侵害にはあたらない」と主張して訴訟の棄却を求めました。
https://torrentfreak.com/nvidia-contact-with-annas-archive-doesnt-prove-copyright-infringement/

NVIDIAは海賊版サイト「Bibliotik」から取得された海賊版書籍を含むデータセット「Book3」でAIのトレーニングを行っていたとして、2024年に複数の書籍の著者から集団訴訟を起こされています。修正訴状で原告は「競争のプレッシャーからNVIDIAは著作権侵害に走った」と述べ、NVIDIAのデータ戦略チームのメンバーがAnna's Archiveに接触していたことを指摘しています。
修正訴状によれば、Anna's ArchiveはNVIDIAから事前トレーニングでデータを利用することについて相談を受け、高速アクセスなら数万ドル(数百万円)が必要だと要求したとのこと。メールのやり取りから、NVIDIAの幹部は海賊版書籍であることを理解しながらAnna's Archiveに接触し、アクセスを提供してもらったことが明らかになっています。結果的に、Anna's Archiveは500TB相当のデータへのアクセス提供を約束したとのことですが、NVIDIAがアクセスに対して対価を支払ったかどうかは訴状では言及されていません。
NVIDIAが海賊版サイト「Anna's Archive」から500TBのデータ提供を受ける約束をしていたことが判明 - GIGAZINE

原告の主張に対し、NVIDIAは「著者らの主張は推測的かつ曖昧で、法的に不十分である」として全面的な棄却申し立てをしました。
NVIDIAの主張として、修正訴状では「NVIDIAがAnna's Archiveに連絡をして数百万点の海賊版コンテンツにアクセスする可能性を得た」と言及しているのみであり、「NVIDIAが特定の書籍をダウンロードした」ことは示していません。棄却申し立て書には「NVIDIAがAnna's Archiveの担当者と接触していたという事実だけでは、NVIDIAが原告の作品を入手したことを意味するものではない。NVIDIAが入手していなかった可能性も同様に高い」と記されています。
同様に、修正された訴状にはAnna's Archiveだけではなくさまざまなシャドウライブラリが追加されていますが、特定の書籍やデータセットがAIのトレーニングに使用されたという証拠もないとNVIDIAは主張しています。例えば、NVIDIAのオープンモデル「Nemotron-4 340B」の場合はトレーニングデータセットが大きく書籍も含まれていたため、原告の著者らは「自身の著作も含まれているはずだ」と推測しています。しかし、そのような主張は証拠によって裏付けられる主張ではなく「情報と信念に基づく」主張であるとNVIDIAは指摘しました。
また、Anna's Archiveは最初の報道の後に「NVIDIAと直接連絡をやり取りしていません。法的問題を避けるために仲介業者を介した可能性が高いです」とRedditの投稿で明かしました。NVIDIAは棄却申立ての中でこの投稿に言及しておらず、原告とNVIDIAのどちらに有利に働くかは不明です。

NVIDIAによる棄却申し立ては、2026年4月に審理される予定です。
