ゴミ袋につめたはずのものが、元どおりに。「義実家の片付け」の失敗から気がついた大切なこと
「実家の片付け問題」に、どう向き合えばいいのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。整理収納アドバイザーのひでさん(45歳)は、「実家の片付けは、無理に進めなくてもいい」と話します。ひでさんが義実家の片付けで経験した失敗と、そこから気づいた大切なことを伺いました。

「義実家の片付け」での失敗。ゴミ袋に入れたものが、すっかり元どおりに…
数年前、高齢になった義両親を心配し、片付けを行うことにしたひでさん。役に立てればと始めましたが、思わぬ展開があったそうです。
「義実家は長く住んでいることもあり、日常的に使っていないものもたくさんありました。ものが多いと、いざというときに転倒する心配があります。そこで『まずはものを減らそう』と思い、帰省したときに不要そうなものをどんどんゴミ袋につめていったんです。
あとは処分に出してもらうだけ、という状態だったのですが、私たちが帰宅したあと、ゴミ袋に入れたものがすべて元の場所に戻されていることが発覚。
口では『ものを減らしてすっきりしたい』と言っていた義母も、実際に捨てる決心がつかなかったようです。勝手に“不要なもの”と判断してしまったことを反省しました。それ以来、『いる・いらない』の判断は必ず義両親にしてもらうようにしています」(ひでさん、以下同)
積み上がった段ボール箱から、大量の切り抜きが出てきてあ然…

ひでさんの義実家でいちばん場所を取っていたのは、普段使わない部屋に積み上げられた重い段ボール箱でした。
「12箱以上ある段ボール箱には、雑誌や新聞の切り抜きがぎっしり。義母は洋裁や服づくりといった趣味に関する切り抜きが好きで、長年大切に集めていたんです。なかには40〜50年前の記事も。『もう古い情報だから役に立たないのでは?』と思いつつ、義母に確認してみると、『まだ読みたい』『取っておきたい』と言うので、結局ほとんど処分しませんでした。こうした切り抜きも、義母にとっては大切な“思い出の品”なのだと実感しました。
片付けながら義母と話すうちに、『ものを捨ててすっきりしたい』という私の考えも徐々に変化。手元に残すことが義母の安心や幸せにつながるのであれば、無理に手放さなくてもいいのだと感じるようになり、捨てることを第一に考えるのをやめました。
現在は、生活動線に支障が出ないよう置き場所だけ工夫し、そのまま保管しています」
片付けの目的は「捨てること」ではなく「安心安全に暮らすこと」

ものを捨てることを無理にすすめなくなったひでさんですが、災害時に転倒や落下の危険性があるものだけは、整理や移動をお願いするようにしているそうです。
「以前、義父の寝室では、タンスの上に日本人形が入ったガラスケースが置かれていました。タンス自体はつっぱり棒で転倒防止をしていましたが、すぐ横にベッドがあり、大きな地震のときに上のものが落ちてきそうで気になっていました。
そこで『寝ている間に高い場所からものが落ちたら危ないので、安全のためにガラスケースだけは移動してほしい』と、危険な場所を限定してお願いしてみたんです。すると義両親もすぐに理解してくれ、安全な場所へ移してくれました。
整理してほしい場所やものを絞って、思いと一緒に伝える。伝え方ひとつで、受け取られ方も変わるようです。
捨てるのは「親のタイミング」に任せる

「将来的には、少しずつものも減らしていけたらとは思っていますが、片付けのペースは、義両親の気持ちに任せようと考えています。
最近では、義母の心境にも変化があったようで、『最近片付けを進めているよ』と話してくれることも。実際に義実家を訪ねると、夫が子どもの頃に使っていたオモチャや学用品が、少しずつ減っていました。以前は『孫に使わせたい』と大切に取っておいてくれたものの、孫の成長とともに、役目を終えたと感じてくれたようです。
少しずつでも、家族みんなが納得できる形で片付けが進められればそれで十分。命を守る安全さえ確保できれば、片付けのタイミングは親に合わせるのもひとつの方法だと思います」
失敗を経験したからこそ、捨てること以上に大切なものに気づいたひでさん。実家の片付けに悩む人は、ぜひ参考にしてください。
