ペットの柴犬の写真をX(旧Twitter)に投稿し続け、その自然体のかわいさが人気となっている@inu_10kg。ESSEonlineでは、飼い主で写真家の北田瑞絵さんが、「犬」と家族の日々をつづっていきます。第86回は「犬との秋のお出かけ」について。

久しぶりに一緒に訪れた「みかん畑」

萩の花が庭先で満開に咲いている。9月下旬、朝の日差しはやわらかく、空気が涼しくなった。散歩しやすいのがとにかくうれしい。犬も私も、夏で落ちた体力を取り戻していかねば。

夏のあいだは連れて来られなかったミカン畑にも、久しぶりに一緒に足を運んだ。柵のなかに入ってリードを外すと、まずはにおいを嗅(か)いでいた。「こっちやでー! おいで!」と斜面をのぼった私が声をかけると、それが合図になったように一気に走り出した。

普段くるりと巻かれたしっぽが、急発進した身体にしがみつくみたいに揺れながら、斜面を駆けてくる。放っておくと、におい嗅ぎに夢中になっていただろう。私に呼ばれて「もうしゃーないな」なんて言ってるかも。だけど犬も一度走り出すと、止まらない。

犬の全力疾走を目の前にすると「ほんまはあれくらい足速いんや」と改めて思う。

たまに散歩の途中で一緒に走るときもあるが、だいぶ私の速度に合わせてくれてんねんな。

ある日の午後、和歌山の由良町へ出かけた。

まず白崎海洋公園に着くと、石灰岩の白くてどデカい岩壁に迎えられた。

壮観な岩壁を見上げる人間に対して、犬は地面を見下ろして、ここでも草むらや駐車場のにおいを嗅いでいた。

そのあと立ち寄ったのは…

そのあと寄ったのは、白い岩場が印象的なシャクシの浜。岩場に降りて、海のそばに来ると気持ちのいい潮風が吹き抜ける。犬も気持ちよさそうだ。白い岩場がレフ版になって、犬の毛並みがきらきら光る。

犬はさっそく波にちょっかいを出していて、波が突っ込んできたら逃げてを繰り返す。

波と犬のじゃれあいを見て、母と笑った。

さらに車で移動して、衣奈ビーチへ。こちらは砂浜で、波も穏やか。犬はというと、自分から波打ち際へ入っていって、手足の半分ほどまでつかった。その積極性に「「えぇ〜!」」と私と母は声をそろえた。

浅瀬で立ち止まり、おなかまでもつからんかったが、足元の大冒険だ。

私も裸足になって、犬のしっぽを追いかける。犬の引力はすごい! みんなを遊びにひっぱりこむ力がある。

砂の感触はやわらかくて気持ちいいけれど、思いのほか足がもっていかれるように沈む。砂が遊んでくれているみたい。犬も10キロの体で、同じ感触を確かめているのだろうか。

帰り道、白い岩と透きとおった海を目に焼きつけて、車に揺られる。犬は私の足を枕にして爆睡。寝ているときに触ると牙をむく子だから、見守るだけにして、足を動かさないように気をつける。

庭も山も海も、犬にかかればどこもかしこも遊び場になる。今度はどこに行こうかな。