「まだどこからもオファーが来ていません」焦りは募るが、悲観すべきではない。興國10番がプロの兄からかけられた言葉
「それはお兄ちゃん(樺山諒乃介/ギラヴァンツ北九州)にも言われました。『変に迷わずに、自分が決めた目標に向かってやり切れ』と。やっぱりそこしかないですし、むしろ今は前向きな状況ですよね。正直、今の僕は勝った試合の終わりとは思えない暗さと歯切れの悪さが出てしまっていますよね。でも、このまま飲み込まれていくのは嫌です」
悩めば悩むほど、「何でやろ?」と思えば思うほど、過去ばかりを気にして立ち止まってしまう自分がいる。だが、変えられるのは過去ではなく、未来しかない。そのためには前に進み続けるしかない。
自分に強く言い聞かせながら、必死で前を向こうとしている。その姿勢、経験こそがこれから先、樺山をより強くする財産となるだろう。
チームは兄・諒乃介が2年生だった時に初出場して以来、選手権には一度も出ていない。あの時の兄と同じ背番号10を託されているだけに、いつもアドバイスをくれる兄の思いも背負って戦うという使命もある。
可能性と想いを両手に抱えて。樺山文代志は高校ラストイヤーをなりふり構わずに走り抜く。
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
【記事】オフサイドって何? 中学からサッカーを始め、今や強豪校の9番を背負うまでに。鈴木優斗はひたむきにゴールに向かう
